【JOREN】天ぷら屋の会員証がNFTに!?譲渡不可能な会員証NFTと独自トークンの発行で店舗運営にweb3経済圏を導入できるサービス
小さな経済圏を実現する非常に面白いサービスです。
おはようございます。
web3リサーチャーの三井です。
今日は「JOREN」についてリサーチしました。
«目次»
1、JOREN とは?
- 特徴
- 導入店舗
- 運営会社
2、ブロックチェーンは小さな経済圏を可能にする
JOREN とは?
「JOREN」は、転売不可能な会員証NFTの発行と会員証NFTに基づくトークン発行を可能にし、新たな価値創造を提供するサービスです。
ユースケースとしては、企業や団体、店舗などを想定しており、それに関わるすべての人(生産者・消費者など)にコミュニティへの参加権となる「会員証NFT(SBT)」を発行します。
そして、各ステイクホルダーは貢献に応じてトークン(ポイント)が配布されるという仕組みを簡単に実装できます。
■特徴
ウォレットを意識しないようなインターフェース
一般ユーザーでも使えるようにウォレットを意識せずに会員証NFTや貢献に応じたトークンを貰えるようになっています。SSIの思想に基づいた会員証NFTに紐づく自身の個人情報の管理
個人が自身のアイデンティティとなる行動や履歴を証明することを個人にデータがある状態で可能になる。飲食店であれば、顧客が会員証NFTにアレルギー情報や好き嫌いといった嗜好を紐付け、店舗に自分の知って欲しい情報を提供することによって、店舗から顧客の好きなモノをリコメンドしたり、該当するアレルギーの商品を排除したり、嫌いなものを抜いたコースメニューを提供することができる。
※SSIとは”Self-Sovereign Identity”の略語であり、個人が自身のデータを自分で管理するという考え方を指す。会員証NFTに紐づく行動証明
それぞれに配布される会員証NFTにトークンの配布だけでなく、行動履歴を蓄積していくことも可能。
■導入店舗
このJORENサービスが導入された「天ぷら屋さん」が4/27(木)に錦糸町でオープンします。このお店は「天ぷら × web3 × AI」で外食産業の構造的課題の解決を目指すことをコンセプトに掲げています。
○顧客、生産者、従業員が共通のインセンティブモデルを持つ
JORENの導入で、会員証NFTと独自トークン(ポイント)を発行することで、共通のインセンティブモデルの中に組み込まれます。よって、顧客であってもお店をより良くするために貢献するというインセンティブが働きます。また、席に設置されたタブレットで生産者情報が分かるようになっており、生産者はお客様から評価(いいね!)されることでトークンが分配される。
○NFT認証でパーソナライズされた天ぷら体験を
顧客は自身のNFT会員証にアレルギーや好みの食材を記録しておくことができる。そのNFT会員証を店舗のタブレットにかざす事で、いつも注文するメニューの作成や特別メニュー、デジタルボトルキープなど、新しいサービスを利用することが可能になる。
○店舗の従業員が調理と接客に専念できる環境つくり
AIやロボティクスも活用し、従業員の負担をできる限り減らす。また、従業員はお客様から評価(いいね!)されることでトークンが分配される。
■運営会社
JOREN運営会社は「株式会社Mt.SQUARE」です。「テクノロジーでワクワクする未来を創造する」という理念のもと、DXコンサルティング、受託開発、クラウドPOSの販売、SES事業を展開している会社です。
JORENの他にPOSサービス「ハピレジ」の運営をしており、そのハピレジと連携することで、天ぷら屋さんの事例もそうですが、新しいユーザー体験を創出しています。
飲食店など、具体的な店舗を中心とした小さな経済圏を簡単に構築できるサービスとして、とても興味深いですね!
ブロックチェーンは小さな経済圏を可能にする
僕はブロックチェーンがインフラになった時代は、小さな経済圏が乱立する時代になると思っています。コミュニティやローカルがキーワードです。
ここから少し抽象的は話になりますが、人は本来、”身内で生きる村社会の生き物”だと考えています。ただ、ずっとその場所に留まっていては絶滅してしまうので、”外に出て行こうという本能”もまた刻まれているはずです。
結果、ローカルの時代とグローバルの時代を繰り返して歴史が生まれています。
村だったところから国ができ、さらにEUというものまで生まれた。同じようにインターネットも急速に拡大し、GAFAと呼ばれる巨大なグローバルプラットフォームが生まれました。
ただ、イギリスがEUから離脱したり、アメリカファーストを謳ったトランプが当選するなど、国家も集団ではなく個の時代に突入しています。そして、経済における個の時代を実現する技術がブロックチェーンだと感じています。
ブロックチェーンを活用することで、まずデータの主権が個人に移ります。そして、自分が好きなコミュニティやその経済圏に所属することが可能になります。NFTを会員証にしたコミュニティは排他的で村社会のようになっており、そのコミュニティ内通貨が存在すれば、それを利用して生活するようになります。
なので、ブロックチェーンやDEX等の一部のDappsが公共財のように存在し、それを活用しながら、小さな経済圏に複数所属しながら生きていくような未来になるかなと勝手に思っています。
NFTプロジェクトもそうですが、マスに拡大しようとすればするほど、コミュニティの尖りは消えて熱狂は薄まります。1万人という小規模だからこそ熱狂するわけで、価値観が多様化した時代において1億人が熱狂するコミュニティを作ることはできません。
ただ、ビジネス的に言えば1万人を相手にした事業はあまり売り上げが立ちません。なので、NFTプロジェクトは構造的に収益化が難しいとも言えますね。(これを突破するには、やはりYuga Labsの戦略が参考になりますが、ここでは本題の話ではないので、それはまた別の記事で書きます)
そんなことを考えているので、JORENのような小さな経済圏を簡単に構築できるサービス、それも飲食店という身近にある存在をweb3導入していくサービスはとても可能性あるなと感じました。
純粋に、店舗のタブレットに自分のNFTかざせばパーソナライズされた天ぷらが出てくる体験ってなんかカッコよくてやってみたいですし😌
オープンしたら一度天ぷら屋さん行ってみようと思います!
どなたか行く方いればぜひ一緒にいきましょう!
以上、「JOREN」のリサーチでした。記事が面白いと思った方はぜひいいねやコメント、SNSでのシェアにご協力いただけると嬉しいです!
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