【ジャスミー】コンソーシアムチェーンによるコミュニティ構築ツールとセキュリティ管理ツールを展開 / カーボンクレジット市場にも参入!?
今日は「ジャスミー」執行役員の柿沼さんとカーボンクレジット領域を担当されている大石さんにインタビューさせていただきました。
おはようございます。
web3リサーチャーの三井です。
今日は「ジャスミー」執行役員の柿沼さんとカーボンクレジット領域を担当されている大石さんにインタビューさせていただきました。
«目次»
1、ジャスミーとは?
- Q.「どのような事業を展開されていますか?」
- Q.「コミュニティ領域における競合サービスとの差別化ポイントはありますか?」
- Q.「お客さんの反応はいかがですか?」
- Q.「2016年の創業からここまでに時代の変化はありましたか?」
2、カーボンクレジット領域でも事業を展開
- Q.「どのような取り組みをされていますか?」
- Q.「参入した理由を教えてください」
- Q.「市場としての可能性をどのように考えていますか」
3、展望やお知らせなど
- Q.「最後にお知らせなどあれば教えてください」
ジャスミーとは?
「ジャスミー」は2016年に創業しブロックチェーン関連事業を展開する企業です。ソニーの元社長の安藤氏とソニースタイルジャパンの社長などを務めた佐藤氏によって立ち上げられました。
当時、ブロックチェーン界隈の技術者とも親交があり、これは来るなと感じてジャスミーを立ち上げたとのこと。情報をデータの持ち主に戻し、広告費もデータの持ち主に還元しようというデータの民主化を掲げています。
また、ソニー時代にVAIOの立ち上げチームにいたメンバーだった為、IoT機器を絡めたブロックチェーンプロダクト群を出していこうとなり、現在に至っています。
■Q.「どのような事業を展開されていますか?」
ジャスミーでは、Jasmy Secure PCを展開しています。キーボード操作や資料へのアクセスなどのログをブロックチェーンに記録して管理できるプロダクトです。他の機能として、仮想ドライブを利用して特定の条件下のみで出現するゴーストドライブ等、セキュリティ領域でのソリューションを提供しています。
他にも4つのプラットフォームを持っており、コミュニティの構築を一気通貫でサポートできるソリューションの提供をしています。
これらはコンソーシアムチェーン上に構築されているため、データがパブリックに公開されることもなく、ガス代もない状態でブロックチェーンの利点を利用することができます。
また、個人情報を管理する分散型ID技術として「Jasmy Personal Data Locker」というソリューションを開発しており、これは特許を取得しています。ブロックチェーンを活用することでデータの安全な管理と利用ログの追跡とともに、ユーザーは許諾したデータの提供や個人を特定できないように抽象化してデータを提供できる仕組みも存在しています。
■Q.「コミュニティ領域における競合サービスとの差別化ポイントはありますか?」
競合サービスはファントークンをFTとして発行することで初期の資金調達は大きくなる一方で相場の変更がかなりある印象です。ジャスミーのサービスは会員証(ファントークン)にダイナミックNFTを採用しており、年会費として収益を上げています。
購入者はスタジアム来訪などの貢献に応じてポイントが貯まり、ステータスが変更していきます。それでランキングが変わり、受けられるサービス(ユーティリティ)が変化します。
会員証・ファントークンをNFTで発行するこの仕組みはコミュニティのエンゲージメントを強化するためのソリューションであり、大きな資金調達をするためのものではありません。
例えば、サガン鳥栖様で導入されていますが、佐賀の現地には来れないけど応援してくれる佐賀出身者が購入してくれたり、熱烈なサッカーファンじゃない人もコミュニティに参加してくれたりしています。
また、コミュニティの管理はサーバー代や個人情報の管理が大変ですが、この仕組みを利用するとそれらがブロックチェーンによって簡単に解決され、導入も簡単になります。
■Q.「お客さんの反応はいかがですか?」
PDLは、日本旅行様やサガン鳥栖様などに利用してもらっています。
お客さまからはサーバーを自分たちで保有する必要がないので個人情報管理が要らない仕組みに対して、好意的な反応をいただいています。個人情報を管理する必要がないといっても、好きな時に個人情報を閲覧することはできます。
■Q.「2016年の創業からここまでに時代の変化はありましたか?」
創業からしばらくは各企業の方にブロックチェーンの可能性を説明するというようなことばかりしていました。
例えば、こちらの扉は現在のオフィスに飾られていますが、イベント出展時にコンソーシアムチェーンのトランザクション速度の速さを証明するために作られたそうです。通常のビットコインやイーサリアム等ではトランザクション処理に時間がかかりますが、Jasmyのコンソーシアムチェーンでは即時で処理が行われます。
そのような取り組みをしながらプロダクト開発を進め、昨年にようやくプロダクトが出来上がったので、サービス提供をスタートしました。
カーボンクレジット領域でも事業を展開
ジャスミーではブロックチェーンを活用したカーボンクレジットの売買領域にも参入を計画しています。
■Q.「どのような取り組みをされていますか?」
ブロックチェーンを活用したカーボンクレジットの取引の仕組みを作っています。
最終的にはクレジットの創出からマーケットプレイスまでをやっていく予定ですが、まずはマーケットプレイスの運営から始めていきます。
具体的にはNCCC(ナチュラルキャピタルクレジットコンソーシアム)と協業し、独自のボランタリークレジットを作り、ブロックチェーンに書き込んでいく取り組みをしていきます。
■Q.「参入した理由を教えてください」
実はカーボンクレジットの取引所の構想や検討は2年ほど前からしていました。
きっかけはとある自治体との取り組みの中で、スマートシティやゼロカーボンに注力することがあり、そのテーマでビジネスモデルを構築して提案していました。その中の1つがカーボンクレジットの取引所でした。
その後色々と試行錯誤を経て、NCCCさんとご一緒することになりました。
■Q.「市場としての可能性をどのように考えていますか」
カーボンクレジット市場が伸びていくのは間違いありませんが、デジタル化が浸透するのかはわかりません。センシングデータをどう取ってくるのか、その方法は創出の方法論によって異なりますし、仕組みも違います。
一方で、ブロックチェーンと相性が良いのは間違いありません。
クレジットの創出で不正が起きたり、正しい量が吸収できない場合が起きないようにするために最初からきっちり管理しようという考えと、マーケットプレイスとしてNFT化することで二重取引ができないようにすることはブロックチェーンによって実現できます。
現状のクレジットの創出量は企業が排出している量のわずかです。今後ボランタリークレジットがもっと必要になっていき、流通や消費していく仕組みが必要になっていくと考えています。国もJクレを始めとして制度を変えてきていますし、GXリーグもできているので、市場自体の構造も変わってくると思っています。
展望やお知らせなど
■Q.「最後にお知らせなどあれば教えてください」
コミュニティ管理のための4つのプラットフォームでお話を進めている中で、身になりそうな話を進めています。まだ詳細の発表はできませんが、何らかの発表が11月頃にあるので、楽しみにしていただけると嬉しいです。
また、プラットフォーム自体はブロックチェーン上で稼働しながらもガス代がないため、安価な価格で導入でき、また元々持っていたサーバーが手離れできるので、コミュニティ管理等でお悩みの企業様はぜひご連絡いただけると嬉しいです。
なお、地域通貨の発行もできるので、地方自治体の方で興味ある方もぜひご連絡いただけると嬉しいです。
そして、ブロックチェーンの技術者を大募集しているので、興味がある方はお気軽にご連絡ください!!!
<編集後記>
コンソーシアムチェーンならではのメリットが非常に理解できましたし、コミュニティが重視される現代において、実用的で利用しやすいソリューションであると感じました。
安価で安全でUXに優れた形でブロックチェーンのメリットを享受できることは、ブロックチェーンが日常使いされていくにあたり、非常に大切なことです。
加えて、その先に個人情報が手元にありながら、必要な場所に需要に応じて提供できるDIDの構想を見ており、その展望にも非常にワクワクしました。
また、僕自身もカーボンクレジット領域でプロジェクトをスタートしているので、その側面でも考えや構想をお聞きすることができ、勉強になりました。
この度はインタビューにご協力いただき、誠にありがとうございます!!
参考リンク:HP
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