【IYK】NFCタグでIRLとデジタルを繋ぐ体験を創出 / フィジタルな体験を全てのブランドやクリエイターに提供するプラットフォームを発表!
a16z Crypto主導で1,680万ドルの資金調達を発表しています。
おはようございます。
web3リサーチャーのmitsuiです。
今日は「IYK」についてリサーチしました。
«目次»
1、IYK とは?
- 設立背景
- NFCの認証方法
2、考察①:a16z Crypto主導で1,680万ドルの資金調達を発表!IYKの展望は?
3、考察②:フィジタルはweb3のマスアダプションを加速させる
IYK とは?
「IYK」は、現実世界とデジタルをシームレスに繋ぐサービスを提供するスタートアップです。具体的にはNFTを用いたデジタル体験を創出するNFCタグを制作しています。
例えば、VERITÉと呼ばれるアーティストと共同で制作したアパレルでは、購入者はスマホでIYKパッチをタップするだけで、彼女の今後のアルバムからの最初のシングルと独占メッセージに早期にアクセスできるようになりました。これはファンからも反響があり、最初のドロップ以来、VERITÉのツアーからのライブリハーサルビデオ、セカンド シングルへの早期アクセス、および次のアルバムの舞台裏映像が公開されました。これらの特典が発表される度にアパレルからサイトにアクセスし、アパレルの売上も大きく向上しました。
他にも、NFT NYCでAdidasをコラボしたTシャツを販売するなど、IYKは1年間で100を超えるブランドやアーティスト、クリエイターと共にデジタルとフィジカルを繋ぐフィジタルな体験を創出してきました。
そして、2023年9月30日、これまで個別対応して制作していたNFCタグとデジタルエクスペリエンスを各自が自由に設定できる「IYK プラットフォーム」を発表しました。
このプラットフォームはメールアドレスによるアカウント登録で管理者として登録でき、NFCチップを自宅に請求することができます。NFCチップはあらゆるグッズに取り付けることが可能で、そのNFCチップを使った体験(ユーティリティ)もノーコードで自由に設定することができます。
例えば、限定サイン付きNFTの配布、曲の先行アクセス、グッズの先行アクセスなどの他にも、9dccはInternet Gameと協力して、アイテム所有者が参加できる毎週のブラックジャックコンテストを開催しています。
尚、現在は発表がされましたが、ウエイティングリストへの登録を受け付けている段階です。
■設立背景
IYKは2021年8月頃に設立されたスタートアップです。
現在、ファンを特定して特典を与えることは、ブランドがコミュニティを構築し、継続的な価値を提供する能力にとって極めて重要です。残念ながら、今日ではデジタルのファンと現実世界のファンの間のギャップを埋めることは非常に限られています。
IYKのアイディアの最初のインスピレーションは、ミュージシャンのVÉRITÉ が、彼女のショーの入場者数データがチケット販売業者によって握られていたと語ったことにあります。消費者情報へのアクセスの欠如は、音楽やエンターテイメントの世界を超えて広がる問題です。ファッションブランドはまた、サードパーティの小売店やリセール市場を通じて購入する消費者を特定し、連絡を取り合うことにも困難を抱えています。
ブランドとして、コミュニティとのつながりを維持できないということは、コミュニティにサポートに対する報いを感じてもらうことができないことを意味します。グッズを所有する忠実なファンは、チケットの列でボットと戦ったり、最新のドロップで幸運に恵まれたダフ屋からグッズを購入したりすべきではありません。
要するに、消費者との直接の関係は重視される現代において、現実世界のファンと繋がる手段があまりにもなさすぎることを課題として捉え、NFCタグによるファンの証明と継続的な繋がりを可能にしようとする挑戦がIYKです。
■NFCの認証方法
IYKのNFCタグの認証方法はこれまでの一般的なやり方とは少し違った方法を採用しています。
IYKはこれまでは大きく2つのモデルが採用されていたと語ります。
①サイドカーモデル
これは物理的なアイテムから完全に切り離されたNFTを指します。例えば、Dolce & GabbanaとPJ Tuckerのコラボが挙げられます。スニーカーの購入者は、オンライン フォームにレシートのコードを入力することで、NFTをエアドロップで受け取ることができます。
引き換えると、NFTはそれ自体で存続し、所有者によって自由に譲渡できます。eBayでスニーカーを販売してNFTを保持することも、OpenSeaでNFTを販売してスニーカーを保持することもできます。NFT は、購入の取引可能な「領収書」であること以外にはほとんど意味を持ちません。
②バウチャーモデル
NFT が物理的なアイテムに対する請求権を表す場合を指します。例としては、RTFKT の「ミント」システムが挙げられます。各NFTは、対応する現物を引き換える1 回限りの許可が与えられます。請求前は、NFTは物理とトークンの両方として取引されますが、請求後はサイドカーモデルと同様に分離されます。
これらは完全に現実世界とリンクしておらず、ファンと継続的な関係を築き続けることが困難でした。そこでIYKは全く別のアプローチを採用しています。
★プルモデル
従来のNFTは現在の所有者に譲渡する権利を与えますが、IYKは譲渡する権利を物理的なアイテム自体に移しています。物理的なアイテムに近い人は誰でも、対応するNFTをウォレットに引き込むことができます。
これまでNFTと対応したアイテムを売却しても、グッズ自体が届いても所有権のNFTを送付しない可能性がありましたが、IYKの仕組みはグッズにNFTが紐づいているのでその心配はありません。
「では、自分以外がタップしたらどうなるの?」
この心配に関しては、確かに動作してしまいますが、そこを考慮した仕組みが設計されているのと、自分が所有していれば一時的に勝手にタップされても、いつでも取り返すことが可能です。
考慮した仕組みというのは、一度のタップではなく時間をあけて2回タップをする仕組みです。これによって一定期間保有している人にNFTが付与されるようになっているので、所有者以外が勝手に NFTを持っていくことを極力減らせます。
考察①:a16z Crypto主導で1,680万ドルの資金調達を発表!IYKの展望は?
IYKはIYKプラットフォームの発表と共に資金調達の完了も発表しました。a16z Crypto主導が主導し、Collab Currency、Lattice Capital、1kx、Palm Tree Crew、Synergis Capital、Coop Recordsなどが投資家として参画しています。
この資金を使って、IYKプラットフォームをより多くのクリエイターやファンに広めること、採用を加速させることをコメントしています。
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