【Interchain NFT】NFTのマルチチェーン対応(相互運用)を実現する新技術! / Cosmos IBC上の新規格によって実現
「Interchain NFT」は、特定のチェーンに紐づけられたNFTをマルチチェーン対応に変換する技術です。
おはようございます。
web3リサーチャーの三井です。
今日は「Interchain NFT」についてリサーチしました。
«目次»
1、Interchain NFT とは?
- 解決する課題
- 解決策
- 提唱チーム
- 利用用途
2、チェーンは乱立するか、収束していくか
Interchain NFT とは?
「Interchain NFT」は、特定のチェーンに紐づけられたNFTをマルチチェーン対応に変換する技術です。ユーザーはブロックチェーンネットワーク全体でNFTを転送できるようになり、NFT が使用するチェーンを柔軟に選択できるようになります。単一のチェーンに依存することがなくなり、ユーザーはさまざまなチェーン、プラットフォーム、アプリの独自の機能やコミュニティを活用できるようになります。
■解決する課題
現在のNFTはサイロ化されており、発行するチェーンに縛られた状態で存在しています。イーサリアム発行のNFTはイーサリアムチェーン上でしか利用できず、Solana発行のNFTはSolanaチェーン上でしか利用できません。
↓だからこそチェーンを移行するというイベントが存在し、それは大きな手間が必要で話題となるほどの大きなイベントとなります。
最も、これはNFTに限った話ではなく、ブロックチェーン全体の問題です。これを解決するためにブリッジの技術なども発展していますが、その中でも影響力を持つプロジェクトの1つが「Cosmos」です。「Cosmos」はブロックチェーン間のインターオペラビリティ(相互運用性)を実現するためのプロジェクトです。
■解決策
CosmosはIBC(Inter-Blockchain Communication)という仕組みを採用しており、Cosmos基盤上に構築されたブロックチェーンのシームレスな相互運用性を実現します。
Interchain NFTはこのIBCを利用してNFTをシームレスに移転する技術です。IBCのアップデートであるICS-721によってIBC内におけるNFTの移転がサポートされるようになりましたが、Interchain NFTはまさにこのアップデートを利用しています。
次世代のDapps開発基盤を目指すIRIS Networkでも利用が始まっており、テストに成功しています。
■提唱チーム
尚、「Interchain NFT」は具体的なプロジェクトというわけではなく、概念のイメージです。
この概念は分散型エコシステムの実現のために主にCosmosエコシステムに投資する「Interchain Foundation」が提唱し、具体的な利用プロジェクトに資金提供をしています。
■利用用途
Interchain NFTが当たり前になると、全てのNFTがチェーンに縛られずに利用可能になります。Dappsの利用範囲が拡大することはもちろん、例えばチェーンによって見た目が変わるNFTなど面白い仕組みを実装することが可能になります。
また、現在はIBCプロトコル上に対応しているInterchain NFTですが、IBC自体がイーサリアムなどのEVM対応のチェーンへの互換性を持たせようと開発中なので、いずれ全てのチェーンに跨ったマルチチェーン対応が可能になると予想されます。
NFTの幅が広がる非常に楽しみなアップデートですね。
チェーンは乱立するか、収束していくか
ここからはリサーチした感想を書きます。
最近はマルチチェーン対応系のプロジェクトが増えてきた印象です。厳密に言えば、以前から存在していましたが、需要の高まりや技術の成熟で最近になって目立ってきたという方が正確でしょう。
少しずつweb3が普及してきた現在において、徐々にプロジェクトのUXを考える必要が出てきました。以前は不便だけど楽しそうだからでユーザーが動いてくれましたが、そういったプロジェクトが飽和してきたので快適なUXを整えないと利用してもらえなくなってきています。
その1つの要素がマルチチェーン対応です。
最近は最初からマルチチェーンに対応できる”オムニチェーン”と呼ばれるチェーンも生まれてきています。オムニチェーン上にDappsを構築すると自動で全てのチェーンに対応してくれるという優れものです。
個人的に、このマルチチェーン対応のソリューションは発展していくことは間違い無いだろうと思うと同時に、将来的にはチェーンが乱立していくのか、一定の収束を見せるのかはよく考えています。
今の現状を見ていると、幾つかの有名チェーンだけに収束するのではなく、チェーンは乱立するのでは無いかと感じています。
昨日のブログでも書いた通り、今後アプリ独自チェーンや業界特化チェーンが誕生してくるとも思いますし、チェーン間の連携がシームレスになればチェーンの選択で制限される機能がなくなってくるので、メリットだけが残りデメリットがなくなるようになります。
なので、ブロックチェーンのレイヤー構造もCosmosのようにその基盤上に新しくチェーンが作れる基盤チェーンがあって、その上に独自チェーンが乱立し、更にその独自チェーンの上にサイドチェーンやL2チェーンが生まれていく構造になっていくと予想されます。まあ今もそうなっていますが、これが加速し、レイヤー構造の呼び方や表現方法も徐々に修正されていくかもしれません。
この辺りのマクロ的な予測もニュースを追いかけながらしていきたいと思います!
以上、本日は「Interchain NFT」のリサーチでした。内容が面白かった方はいいねやコメント、SNSでのシェアにご協力いただけると幸いです!
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免責事項:リサーチした情報を精査して書いていますが、個人運営&ソースが英語の部分も多いので、意訳したり、一部誤った情報がある場合があります。ご了承ください。また、記事中にDapps、NFT、トークンを紹介することがありますが、勧誘目的は一切ありません。全て自己責任で購入、ご利用ください。
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