【Helio】web3版Stripe / 単発支払い、サブスク、EC埋め込み、デジタルコンテンツへの課金、全ての仮想通貨支払いをノーコードで実現
2022年夏にローンチ、1,000 万ドル以上を処理。2023年4月に300万ドルを調達。
おはようございます。
web3リサーチャーの三井です。
今日は「Helio」についてリサーチしました。
«目次»
1、Helio とは?
- 機能
- 有料プラン「Heilo X」
- チーム
- 展望
2、仮想通貨決済は便利
Helio とは?
「Helio」は、web3版Stripeと呼ばれており、ノーコードで簡単に様々な仮想通貨の決済システムを構築できるプロダクトです。
2022年の夏のローンチ以来、Helioは1,000 万ドル以上を処理しました。e コマース、NFT販売、SaaSサブスクリプション、コンテンツペイウォールなどで、900 を超える企業が利用し、35,000ユーザーの支払いを受け付けてきました。DappRadarによると、すべてのブロックチェーンの上位50のDeFi アプリにランクインしています。
現在はSolana、イーサリアム、ポリゴンに対応しています。
Helioは仮想通貨(暗号資産)の決済を可能にし、以下のメリットが存在します。
仲介業者を介さず、低手数料でグローバルな顧客から直接支払いを受け取る
API連携等も可能で、開発なしで簡単に決済システムを構築できる
Phantom、MetaMask、またはその他のウォレットを 1 回タップするだけで、ログインなしで顧客がすばやく簡単に支払うことができる
■機能
Pay Links:「コードなし」でチェックアウトページを簡単に作成し、幅広い支払いワークフロー実現できる(NFT販売、寄付、国境を越えた支払いなど)。
Pay Streams:サブスクリプションでの定期支払いを実現できる。
Invoicing:請求書を素早く簡単に作成できる。
e コマース:自社ECサイトに仮想通貨支払いをに追加できる。
Split payments:複数のウォレットで支払いを受け取ることができる。アフィリエイトリンクの構築、ロイヤリティ収入の共有、チャリティ寄付をリアルタイムで行うことができる。
Helio Play:動画やポッドキャストに対しての課金ペイウォールを設定できる機能。視聴毎に収益を獲得できる。
それぞれの支払いは、特定のトークンの固定価格での請求、法定通貨で定めた価格をユーザーが任意に選択したトークンでの請求、特定のトークンでの請求ながらユーザー側が任意に選択したトークンでスワップして支払いができる請求など、自由に設定可能です。つまり、ユーザーは基本的にどのトークンからでも定められた価格をスワップして支払いをすることが可能です。
また、それぞれの請求方法に対して、トークンゲートで販売するなど、販売対象の設定なども可能です。
■有料プラン「Heilo X」
Heilioは基本利用料が無料で、決済の度に手数料が発生します。基本手数料が1%で、価格換算払い(法定通貨での金額を設定し、それに対応するトークン価格が自動表示され決済される)が +0.5%、スワップでの支払いが +1%の手数料が発生します。
ただ、有料プランの「Heilio X」が存在し、「専用NFTの購入」か「定期支払い(サブスク)」によって利用できます。月額費用は月$50USDです。
Heilio Xでは基本手数料が0.5%になることに加え、制限なしのAPI読み込み、そしてDiscordと連携したサブスク決済の仕組みを導入できます。定期支払いをするユーザーにロールを付与でき、限定チャンネルを構築できます。
■チーム
連続起業家の Jim WalkerとStijn Paumenによって設立されました。JimとStijnは20年間共に働き、SaaSスタートアップを構築してきました。2 回のエグジットで合計 6 億ドルを獲得しています。
■展望
2023年4月13日にシードラウンドで300万ドルの資金調達を発表しました。今後は10兆円を超えるデジタル決済市場をリードする存在として引き続き開発に注力していきます。具体的には、ユースケースの増加やマルチチェーン対応を進めていきます。
仮想通貨決済は便利
ここからはリサーチした感想を書きます。
単純な感想ですが、やっぱり仮想通貨での決済は便利だと感じます。仮想通貨を購入して保管しておく(ウォレット間の移動など含め)はやや大変ですが、いざ使うとなった時のメリットは大きいです。
まず手数料が安いですし、グローバルな顧客から支払いを受け付けることが可能になります。また、支払い後の資金の流れを透明化できますし、売上を分割受け取りすれば自動で支払いや寄付が可能です。
これは企業目線でのメリットかもしれませんが、顧客からしてもグローバルで商品を購入できることはメリットになります。また、自身の持つ仮想通貨を自動でスワップして購入できるとなれば、どんな通貨を持っていても、どの商品でもなんだって購入できるようになります。
もちろん現状で言えば、言語や物流の問題もあり海外の商品を買うことはあまり多くないですし、国内だけでいうのであればクレジットカード決済は普通に便利なので、そっちが主流なのは理解できます。
この先仮想通貨決済がどれだけ普及していくのかは未知ですね。
感覚としては、日本は島国でかなり閉鎖的な国家なので国内だけで消費が完結しますし、クレカの普及も進んでいます。なので、日本ではそこまで普及しないかも?とは感じています。依然として現金決済が多い国で、これから高齢化も進んでいく中で、いきなり仮想通貨決済が浸透していくイメージはできません。
一方で、世界を見れば、例えば銀行口座を持たない人は世界中から観光客が集まる都市、国境が陸路で繋がっているけど通貨が異なる国など、ニーズが存在する国もありそうです。ここには顧客にとっても企業にとっても利便性が高い仮想通貨決済は普及しそうです。
とはいえ、やはりこの辺りも国家との衝突は生まれそうですね。観光客が自国の法定通貨を使わずに仮想通貨をスワップして支払うようになれば、自国通貨の存在感も薄れてきますので、なんらかの規制が働きそうな気配はあります。
僕自身もこれから英語で海外向けコンテンツを積極的に展開していこうと思っていますので、仮想通貨決済の可能性を模索していきます。
以上、「Heilio」のリサーチでした。ご覧いただきありがとうございます。勉強になった、面白かったと思った方はいいねやコメント、SNSでのシェアにご協力いただけると励みになります。どうぞ宜しくお願い致します。
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