【Generative NFT Tool】STEPN運営会社の新サービス / AIによるNFT自動生成ツールがリリース!
STEPN運営会社のFind Satoshi Lab社の動きは非常に参考になります。
おはようございます。
web3リサーチャーの三井です。
今日は「Generative NFT Tool」についてリサーチしました。
«目次»
1、Generative NFT Tool とは?
- MOOARとは?
- Generative NFT Tool(GNT)の特徴は?
- MOOARとGMTの展望
2、web3式コンパウンドスタートアップが来るか、、
Generative NFT Tool とは?
「Generative NFT Tool(以下、GNT)」は、STEPN運営会社のSatoshi Find Lab(以下、SFL社)社がリリースした”AIでNFTが作成できるツール”です。
SFL社が運営するNFTマーケットプレイス「MOOAR」内でリリースされる予定で、クリエイターがプロンプトを打ち込むだけで自動でアートが生成され、そのままブロックチェーンに刻まれて販売が可能になります。尚、初期はSolanaのみ対応予定です。


■MOORとは?
少し言葉を整理します。
Find Satoshi Lab社:STEPN、MOOR、GNTの運営会社
STEPN:FSL社が提供するM2Eアプリケーション
MOOAR:FSL社が提供するNFTマーケットプレイス
Generative NFT Tool(GNT):MOOR内にリリースされるAIでNFTが作成できるツール
その上で、STEPNがご存知の方が多いと思うので、MOOARについて簡単に解説します。リリース時にリサーチ記事を書いてるので詳細はそちらをご覧いただきたいのですが、特徴だけ紹介します。
PF手数料が0%で月額会員制のメンバーシップによる課金モデルを採用
PFPに特化
Launchpadも行っており、STEPNで利用されているトークン”GMT”を投票に利用できる。
■Generative NFT Tool(GNT)の特徴は?
このMOOAR内で新しく利用できるツールがGNTです。AIで作成したNFTは自動的にブロックチェーンに刻まれ、すぐに販売できます。
簡単にPFP形式のNFTを作れるように独自のAIモデルとプロンプトジェネレーターを開発
MOOARのVIP会員は最大1,000点のジェネラティブNFTが瞬時に作成可能
初期は無料で利用可能だが、後々はGMTをバーンすることで利用可能になる
GNTで作成されたNFTはFairMintと呼ばれる専用ページに掲載される
近日中に利用可能になるようで、初期は無料で利用可能で、スニーカー形式のPFPに特化して制作できるようです。
■MOOARとGMTの展望
NFTマーケットプレイスのMOOARはWhitePaperにその展望が記載されています。
フェーズ 1
シーズン毎のLaunchpad機能の構築。
フェーズ2
AIによるNFT作成の障壁の低下
メンバーシップ & リワードシステムを通じて、NFT取引を楽しくやりがいのあるものにする
GMTをレイヤー 1 のようなトークンにできるようにする
フェーズ 3
将来のFind Satoshi Lab (FSL) エコシステムのハブとして機能
MOOAR が将来のFind Satoshi Lab (FSL) エコシステムに価値を付加できるようにする機能の作成
これによれば、GNTの導入によって現在はフェーズ2に差し掛かったと言えます。今後も会員制のNFTマーケットプレイスという独自の特徴を持ち、ロイヤリティプログラムと共に成長していくことが予想されます。
その中で気になる点は「GMTをレイヤー1のようなトークンにできるようにする」という文言です。GMTはSTEPN(もしくは取引所)で獲得できるトークンです。
FSL社はレイヤー1トークンを以下のように定義しています。
レイヤー 1 のようなトークンは、パブリックチェーントークンではないが、このトークンのエコシステム外のプロジェクトまたはユーザーによって使用または取引されるトークンとして定義されます。
つまり、GMTをFSL社のネイティブトークンのような形(Yuga Labsで言うApeCoin)で循環させていこうと言う計画を持っています。
すでに、MOOARでのローンチパッドの投票で利用され、GNTの利用にもGMTが必要となってくることが確定しています。今後はこの連携を増やしていき、GMTのエコシステムを向上させていくことが予想されます。
そうなると、GMT価格が安定(上昇)しますから、結果的にSTEPNの利用インセンティブも向上していきます。
複数プロダクトを横断して自社トークンを循環させ、相互に価値を向上させていく経営戦略はこの先のモデルケースとなりそうです。トークンエコノミクス戦略?トークンスタートアップ?なんか言葉もできそうです。
web3式コンパウンドスタートアップが来るか、、
ここからはリサーチした感想です。
最近、スタートアップの世界で「コンパウンドスタートアップ」という経営スタイルが話題になりつつあります。海外SaaS企業が採用を始めており、日本ではLayerXが採用していることを公表しています。
→詳細はLayerX福島さんのnote「コンパウンドスタートアップというLayerXの挑戦」へ
その要約部分を引用します。
・創業時から単一プロダクトではなく、複数プロダクトを意図的に提供
・部署でサービスを区切るのではなく、データを中心にサービスを統合する
・プロダクト間の連携の良さそのものがプロダクトである
・複数のプロダクトを管理、ローンチするケイパビリティを持つ
通常のスタートアップはリソースを分散させないために一つのプロダクトだけに注力します。しかし、例えば人事労務系の一部分を解決するプロダクトを出した時、実は人事労務の関連領域の全ての課題を横断して解決していけるプロダクト群を作った方が顧客にとっては1IDで全て解決できて便利じゃね?(その方が価値提供できる)というイメージです。
複数プロダクトを出すことが目的ではなく、結果的に顧客の課題解決のためには複数のプロダクト群を提供した方が理にかなっているよねという経営スタイルです。
で、FSL社のGMTを中心とした経営スタイルはここに通じるものが若干あり、web3式スタートアップの一つのモデルケースになると思っています。
FSL社はSTEPNの大爆発で成長しましたが、STEPNは過剰に熱狂してしまいバブルとなり、価格高騰が終わってしまいました。これ自体は通常ですが、GMT価格も暴落してしまい、M2Eとしてのインセンティブが弱まってしまいました。
しかし、その後にリリースしたMOOARのコア機能の1つのローンチパッドの投票トークンにGMTを採用しました。そして、今回のGNTの利用にもGMTが必要です。
上でも書きましたが、GMTの需要が上がれば価格は上昇しSTEPNの魅力も向上します。STEPNが利用されればGMTの流通量もFSL社の売上も上がりますし、GMTの流通量が増えればMOOARの利用やGNTの利用も増えます。好循環が生まれます。
web3スタートアップはおそらくこういった形で自社が発行したトークンを複数プロダクト間で横断させて連携させていくことが求められます。そして、その戦略によってWeb2企業よりも素早く成長していくことが可能となり得ます。
まだまだうまく言語化しきれていませんので、この辺りの新しいweb3式経営戦略は自分の中でも整理してブログにまとめていこうと思います。
以上、「Generative NFT Tool」のリサーチ記事でした!
«参考リンク:HP / Twitter / WhitePaper»
免責事項:リサーチした情報を精査して書いていますが、個人運営&ソースが英語の部分も多いので、意訳したり、一部誤った情報がある場合があります。ご了承ください。また、記事中にDapps、NFT、トークンを紹介することがありますが、勧誘目的は一切ありません。全て自己責任で購入、ご利用ください。
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