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【ファイナリティ】基礎単語の解説

なぜ「確定するまで待つ」必要があるのか

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mitsui
Dec 21, 2025
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おはようございます。
web3リサーチャーのmitsuiです。

毎週土日の昼には基礎単語解説記事をお届けします。各記事をサクッと読めるような文量にして、改めて振り返れる、また勉強できるような記事を目指していきます。

本日は「ファイナリティ」です。

ぜひ最後までご覧ください!


ファイナリティという聞き慣れない言葉

「ファイナリティ(Finality)」という言葉は、日本語で「最終確定性」と訳される概念です。つまり、取引がもう取り消せない、確定した状態になることを意味します。

web3の文脈では、このファイナリティという概念が極めて重要です。なぜなら、ブロックチェーンの最大の特徴の1つが、「一度記録されたトランザクションは改竄不可能」だからです。

しかし、その「改竄不可能」というのは、いつから始まるのか。どの瞬間から、ユーザーは「この取引は終わった、お金は本当に移動した」と言えるのか。これを理解するために必要な概念がファイナリティです。

既存金融における「確定」

ファイナリティを理解するには、既存金融システムでは「確定」がどのように扱われているかを知ることが有用です。

銀行振込を例に取ってみます。AさんがBさんに10万円を振り込んだとしましょう。

銀行のシステム上には「Aさんから10万円が引き出され、Bさんに10万円が入金された」という記録が付きます。ほとんどのユーザーは、この時点で「取引は確定した」と考えます。しかし、実は異なります。銀行は「組戻し(くみもどし)」という仕組みを持っており、特定の条件下では振込を取り消すことができます。例えば、誤字で別人に振り込んでしまった場合、その振込を遡及的に無かったことにすることが可能です。

クレジットカードの場合はさらに顕著です。カード決済をしても、その決済は完全には確定していません。「チャージバック」という仕組みがあり、カードホルダーが「この決済に同意していない」と後から異議を唱えれば、決済を無かったことにできます。不正利用の保護として機能していますが、つまり「支払ったはずのお金が、後から戻ってくる可能性がある」ということです。

我々は、実は「確定していない決済」に非常に慣れています。銀行の振込も、クレジットカード決済も、その実態としては「その機関が『これは有効だ』と判断している』というだけで、取り消しの可能性はいつも存在しています。

ブロックチェーンにおけるファイナリティ

ブロックチェーンの場合はどうでしょうか。AさんがBさんに1ETHを送った場合、何が起きるか。

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