おはようございます。
web3リサーチャーの三井です。
今日は「Dev Protocol」についてリサーチしました。
«目次»
1、Dev Protocol とは?
- 仕組み
- 特徴①:プロトコルである
- 特徴②:クリエイティブアセットをトークン化できる
2、開発背景と展望
- 展望
3、自分でも触ってみたい!
Dev Protocol とは?
「Dev Protocol」は、ブロックチェーン技術を活用し”クリエイターの持続可能な活動を実現する分散型プロトコル”です。
日本にある「FRAME00(フレームダブルオー)」という会社が2018年に設立しました。
■仕組み
簡単に言えば、ステーキングを通してクリエイターとスポンサー(支援者)のどちらにも報酬を与える仕組みです。
クリエイターはまず自身が開発したクリエイティブ(アセット)をDev Protocolにてトークン化します。そして、スポンサー(支援者)は自分が興味を持ったクリエイティブに独自トークンDEVをステーキングします。
その後、クリエイティブによって発生した利益がDEVトークンに変換され、クリエイターとスポンサーに分配されていきます。
Dev Protocol上に最初に開発されたDapps「Stakes.social」を見るとわかりやすいかもしれません。
このような画面があり、
興味があるプロジェクトを選択して、DEVトークンをステーキングできます。
この仕組みによって、クリエイターは持続的な金銭的な支援をもらうことができ、クリエイティブに集中できるようになります。
そして、個人的にこの仕組みの画期的なポイントは「プロトコルである点」と「クリエイティブアセットをトークン化できる点」にあると思っています。
■特徴①:プロトコルである
まず、プロトコルであるのでその上に無数のDappsを開発でき、DEVトークン自体の価値が安定します。
加えて、ステイクホルダーが3者存在します。
クリエイターを支援するDapps
そのDappsによって支援されたクリエイター(プロジェクト)
そのクリエイターを支援するサポーター
一般的なプロトコルは基本的には2者間で完結することが多いですが、このプロトコルは支援Dapps、被支援者、支援者の3者が存在するので、Dappsが増えれば増えるほど被支援者が増え、支援者も増えるので、安定したエコシステムが築かれます。
例えば、日本でも有名なHiDEはDev Protocolを活用して成功したクリエイターとしてHP上にも紹介されています。
また、現在は開発会社の「FRAME00(フレームダブルオー)」が開発や運営を行っていますが、マネタイズポイントは存在しておらず、今後は運営をDAOに移行し、その中での一コントリビューターとしてコミュニティの承認を経て、開発や運営を行う立場に移行していくとのことでした。
■特徴②:クリエイティブアセットをトークン化できる
Dev Protocolでは、独自の組み込みオラクル「Khaos」によって、オフチェーン上や外部のWebサービス(GitHubやYouTubeチャンネルなど)のアセットをトークン化できます。
これによって、開発者はGitHubのオープンソースコードをDev Protocolによってアセット化し、その収益を開発者とサポーターで分配するということが可能になります。
他にも、例えばDev Protocol上に開発された「Niwa」というサービスでは、GitHub、Discord、YouTubeチャンネルを誰でもトークン化することができ、独自のトークンエコノミーを築くことが可能になります。
特に、YouTubeチャンネルのトークンを発行するのは面白いですよね。ちょっと個人的にやってみたいなと感じました。おそらくソーシャルトークンを発行することで、初期から資金を獲得しつつ、動画作成が可能になり、そのチャンネルが有名になった際にサポーターにも収益が分配されるのだと思います。
開発背景と展望
その理由はやはりクリエイターのマネタイズによる課題からでした。
特にOSS(オープンソースソフトウェア)の開発者は、価値あるソフトウェアを開発しているのに、無料で誰でも使えるようにしている手前、寄付や広告でしかマネタイズできない現状がありました。
とはいえ、利用を有料にすることは開発者の信念から反対される可能性があることはもちろん、オープンソースにすることでイノベーションが加速する側面があるので、”無料で誰でも使える”点は外せません。
この現状では、開発者は資金不足で持続的な開発を行うことができないため、その課題をブロックチェーンを活用することで解決しようと生み出されたのが「Dev Protocol」です。
そして、OSS開発者だけでなく、全てのクリエイター(0から何かを生み出す人)にとっても似たような課題感が存在するので、全てのクリエイターが持続的な活動ができる世界をビジョンに掲げたプロトコルとなっています。
インタビューの中でも最初のきっかけに触れていた箇所があったので引用します。
実は、FRAME00は私の妻が起業した会社なのですが、その課題感がまさにOSSの状況と似ているんです。彼女の起業のきっかけは、神社や仏閣など伝統建築の収益が、スマホゲームのような短期的に消費される商品の収益の1/12程度であるという衝撃的な事実でした。100年先も残るような文化的な価値に対して、経済的評価があまりにも低い。その経済的価値の乖離を埋めるためには、根本的な構造が変わるべきではないかと考えたわけです。
https://codezine.jp/article/detail/15093?p=2 より
■展望
これまでにもMicrosoft for Startupsに採択されたり、昨年10月には2.5億円の資金調達を完了するなど、世界中のプロジェクトから評価されています。
最近は、クリエイターのために用意されたテンプレートを選んで、自分のコミュニティをweb3にアップグレードできる、ノーコードDAOツール「Clubs」を発表し、大きな反響を集めています。
今後も、クリエイターと支援者の関係を改善し、クリエイターが持続的な活動ができるようなプロダクトを多数生み出していくようです。
自分でも触ってみたい!
ソーシャルトークンを誰でも発行できる「Niwa」を触ってみたいと思ってリサーチしたところ、その背後にある「Dev Protocol」が面白かったので、そっちメインでリサーチ記事を書きました。
ちょうど昨日ツイートした内容と被りますが、そろそろ自分の手を動かして勉強していこうかと思っています。

正直、大義を持ったプロジェクトのDAOやNFTを作るつもりはまだないので、リサーチャーとしてのDAOやNFT、FTを作って、自分の勉強のためにやっていきます。
Niwaでトークン作ってみようかと思っていたのと、ちょうど動画コンテンツ作ってみようかな?とも思っていたので、リサーチャーとしてのYouTubeチャンネルを作って、そのソーシャルトークンを発行してみようかと思い始めています。
とはいえ、トークン発行する以上、自分が知った上で、且つちゃんと継続活動できる状態でスタートした方が良いと思うので、もう少しリサーチしてみる&とりあえず別のプロジェクトを支援者としてステーキングで応援してみます。
そして、その自分で手で触ってみた経験をもとにまたリサーチ記事を更新していきますので、ぜひ楽しみにお待ちください!!
«参考リンク»
・HP:https://devprotocol.xyz/
・Twitter:https://twitter.com/devprtcl
・doc:https://docs.devprotocol.xyz/ja/
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免責事項:リサーチした情報を精査して書いていますが、個人運営&ソースが英語の部分も多いので、意訳したり、一部誤った情報がある場合があります。ご了承ください。また、記事中にDapps、NFT、トークンを紹介することがありますが、勧誘目的は一切ありません。全て自己責任で購入、ご利用ください。
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