【DEEPOBJECTS】AI自動アートの更に先。コミュニティー×AIアートが生み出す"分散型デザインスタジオ"とは?
「DEEPOBJECTS」とは、web3(NFT)を活用した分散型デザインスタジオです。
おはようございます。
web3researcherの三井です。
今日は「DEEP OBJECTS」というNFTプロジェクトについてリサーチしました。
«目次»
1、DEEPOBJECTSとは
2、テクノロジー×人間
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DEEP OBJECTSとは
「DEEP OBJECTS」とは、web3(NFT)を活用した分散型デザインスタジオです。
「F T R」というNikeやGoogleのデザインも手掛けたことがある世界的なクリエイティブチームが主導しており、コミュニティーの力を使って、新たなAIアートを生み出す実験的な取り組みです。
10月10日に10,000点のNFTがミントされ、すぐに完売しました。10月11日時点でトータルボリュームが243Ethで、フロア価格は0.065Ethです。
https://opensea.io/collection/deepobjects
■どんな取り組みか
では、もう少しその取り組みの内容について解説します。少し意訳も含むので、厳密に理解したい方は公式のDiscordをご覧ください。
Dall-E、Midjourney、Stable Diffusion等のAIアート作成ツールとは別のアプローチで新しいAIアートの作成ができるスタジオを作る。
既存のAIアート作成ツールの問題点は、シンプルで無機質な作品が出来上がることが多い。それよりもっとクールなデザインをAIで作れるようにしたい。
そこで、人の手を入力することを前提としたAI「HUE」を開発した。
NFTを販売し、そのホルダーたちが自分の好みの情報をキュレーションして入力していくことで、一つのクリエイティブが出来上がっていく、そういう分散型スタジオ構想である。
■第一弾「スニーカー」
将来的に多くのデザインを手掛けていきたいが、コレクションの第一弾として「デジタルスニーカー」を全員で作る実験を始める。
まずはNFTホルダーのコミュニティによって 10,000 の靴が生成される(10,000個のNFTを発行し販売。すでに完売)。
次に、トップ 30 に投票され、それが 3D モデルに変換される。
最後に、どの靴が実際のオブジェクトになるかについて全員が投票する。
投票によって作られたスニーカーを実際にプロダクト化。
■その他の特徴
エコシステムに適切な人材を確保するために、FTR(主導するクリエイティブチーム)はコレクションから 1,000 個の NFT を個人的に購入し、デザイン学校/プログラムや新進気鋭のクリエイターに寄付している。
Deep Objectsの各コレクションによって生み出された全利益の25% は、投票と承認に基づいて再投資されるように指定されている。
NFTによる売り上げだけでは失敗。実際のプロダクトを作り、そこでの収益を上げることを目的としている。世界的に大きなブランドからも依頼がくるようなクリエイティブスタジオを目指していく。
※英語の本文から意訳して要約したので、少し表現が違う箇所等あるかもしれないので、正式な表現や情報は公式Discordをご覧ください。
その他の参考記事はこちら。
テクノロジー×人間
まず驚いたことは、最近日本で流行り出したAIアートの更に先をいくプロジェクトが世界で生まれていることでした。この取り組み自体が成功するか否かはこれから次第ですが、すでに世界トップにいるクリエイティブチームはAIアートの波は一巡し、自社でコミュニティーで活用できるAIの開発を行っていました。(開発に1年以上かかったと書いてあったので、1年前にその構想が生まれていたことになります。)
改めて、日本語で流れてくる情報は1年ほど遅れているのだなと感じました。また、主体的に情報を取りに行かないと、すでにイノベーター層は消費しきって次に行っている時に初めてその情報を知り、一個前の情報にベットすることが起こります。これは多くの人の期待を背負う起業家にとっては致命的なことです。リサーチをする感度をもっと上げようと思わされたプロジェクトでした。
そして、プロジェクト自体に関しての感想は「遂にコミュニティー(人)をテクノロジーのフローの一部に組み込むプロジェクトが出てきた!」でした。
少し前に話題となった”OMO”でも、テクノロジーが発展した時代において、人間がやるべきことは何か?という議題がよく生まれました。人間にしか出来ない部分を見極めて、それ以外を全て効率化することがこれからの時代における生存戦略だ、と。
その答えは色々ありましたが、それはweb3の世界にも入ってきました。NFTを参加パスとして使い、AIを独自で開発して、人の目や好みを介することで最高のデザインが生まれるのではないか、デザインで0→1を生み出し磨き上げるプロセスは人を介した方が良いのではないか、そういう仮説の元の実験です。
成功するか否かは問題ではなく、この取り組み自体が今後のデザイン業界を一歩前に進める実験結果を生み出すように感じます。
すごくワクワクしますし、NFTプロジェクトを作り、web3の世界で戦うのであれば、これくらいの壮大な実験に取り組む方が良いのだろうなとも感じます。web3じゃなきゃできない壮大な規模の実験をすることにロマンがありますよね。
刺激になったプロジェクトでした。僕も頑張ります。
DEEPOBJECTS
・HP:https://deepobjects.ai/
・Twitter:https://twitter.com/DeepObjects
・OpenSea:https://opensea.io/collection/deepobjects
(※リサーチした情報を精査して書いていますが、個人運営&ソースが英語の部分も多いので、意訳したり、一部誤った情報がある場合があります。ご了承ください。)
以上、記事が面白いなと思った方はぜひ「アドレス登録」と「SNSでシェア」をしていただけると嬉しいです。引き続きweb3をリサーチしていきます。
おわり。
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🔗Profile Link
mitsui@web3
・Twitter:https://twitter.com/koheimitsui_