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web3における資産管理の本質:Non-Custodial vs Custodialの違いを理解する

web3の価値は、一言で言うと「所有権の直接性」にあります

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mitsui
Nov 22, 2025
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おはようございます。
web3リサーチャーのmitsuiです。

毎週土日の昼にはweb3の基礎レポートをお送りしていましたが、少し派生して1つ1つの「単語」解説記事を更新してみます。各記事をサクッと読めるような文量にして、改めて振り返れる、また勉強できるような記事を目指していきます。

本日は「Custodial」です。

ぜひ最後までご覧ください!


なぜ「資産管理の違い」がweb3の本質なのか

web3の価値は、一言で言うと「所有権の直接性」にあります。これは従来の銀行やWeb2サービスとは根本的に異なる構造です。中央集権的な機関を通さずに、自分の資産を直接管理できる可能性こそが、web3がもたらす革命的な価値です。

しかし実際のところ、多くのユーザーはこの重要な違いを十分に理解しないまま、web3を利用しています。「誰が資産を管理するのか」という問題を理解することは、web3のリスクと機会を正しく把握するための第一歩です。

今回は、Custodialとしての「預ける管理」、そしてNon-Custodialとしての「自己管理」の違いについて、詳しく解説します。


Custodialとは?預ける管理の形態

Custodialの定義は、資産管理を第三者に委ねる形式です。具体的には、Coinbase、Binance、銀行、証券口座などが該当します。あなたが資産を預けると、その企業がかわりにそれを保管し、管理してくれるということです。

Custodialのメリットは多くあります。

まず、ユーザー体験(UX)が極めて良好です。ボタンひとつで取引でき、わずらわしい技術的な手続きはありません。また、パスワードを紛失してしまった場合でも、本人確認を通じて復旧することが可能です。さらに、もし不正取引や詐欺被害があった場合、補償が受けられる可能性があります。加えて、問題が発生したときにサポートチームに頼ることができるのも大きな安心材料です。

一方、デメリットも存在します。

預ける先の企業が経営破綻してしまえば、資産は失われるリスクがあります。FTXやCelsiusの事例では、多くのユーザーが出金不可となり、資産を失いました。このような事態が起こると、「あなたの資産があなたのものではない」という現実が突きつけられます。

また、規制当局の要求によって資産が凍結される可能性もあります。さらに、多くのCustodialサービスではKYCが必須であり、プライバシーを一定レベルで失うことになります。


Non-Custodialとは?自己管理の形態

Non-Custodialの定義は、秘密鍵を自分が直接保持し、資産を完全に自分で管理する形式です。MetaMask、Ledger、Safeなどがこれに該当します。ここで言う秘密鍵とは、あなたの資産にアクセスするための究極のパスワードであり、これを持つ者が資産の所有者となります。

Non-Custodialのメリットは極めて強力です。

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