【Confidential balances】Solana上でトークンの残高や転送額を暗号化し、機密性を確保するための新機能 / Token-2022拡張 / @solana_devs
Solanaの新機能「Confidential Balances」は、トークンの残高や送金額を暗号化し、ゼロ知識証明を用いて正当性を保つ革新的なプライバシー機能です。Token-2022拡張との関係や具体的なユースケース、導入状況をわかりやすく解説します。
おはようございます。
web3リサーチャーのmitsuiです。
今日は4月9日にSolanaから発表されたばかりの「Confidential balances」についてリサーチしました。
📝概要|Confidential balancesとは?
🤫比較|他のプライバシー機能との関係
🖐️ユースケース|企業や機関投資家を後押しする
💬総括と考察|プライバシー領域のインフラ整備が進む
🧵TL;DR
Confidential BalancesはSolanaのToken-2022拡張に追加された機能で、残高や送金額を暗号化しながら正当性を保証するトークンプライバシー機能。
ゼロ知識証明や準同型暗号を活用し、トランザクションの「金額」や「残高」情報を非公開にしつつ、監査人によるオプトイン開示も可能。
給与支払いやB2B決済、OTC取引などの機密性が必要なユースケースに対応し、すでにAgoraなどで実装が始まっている。
プライバシー確保と規制順守を両立できる設計で、今後のウォレット統合やUX改善により一般ユーザーにも普及が期待されている。
📝概要|Confidential balancesとは?
「Confidential balances」は、Solana上でトークンの残高や転送額を暗号化し、公開ブロックチェーン上で機密性を確保するための新機能です。これはSolanaの新しいトークン標準(Token-2022拡張)の一部であり、ゼロ知識証明や準同型暗号を活用して、残高や取引額を隠しつつも取引の正当性を保証する仕組みを提供します。
ちなみにSolana Token 2022とは、従来のSolana標準トークン(SPLトークン)に比べて多機能かつ柔軟な拡張機能を持たせるために設計された、新しいトークンプログラムのことです。従来のSPLトークンでは困難であったトークンのカスタマイズや拡張性を実現するために開発され、Token-2022では、トークンに拡張モジュールを組み込めるようになりました。
話を戻します。
このToken 2022の1部であり、トークンに匿名性ロジックを組み込める新しい機能が「Confidential balances」というわけです。
日本時間2025年4月9日にSolanaの公式Xにて発表され、同時に「Confidential Balances: Empowering Confidentiality in the Solana Ecosystem」というタイトルのブログが公開されましたので、基本的にはそのブログの内容を元に解説していきます。
◼️背景
Solanaの拡張トークンプログラム「Token-2022」において、当初はConfidential Transfers(機密転送)と呼ばれる機能拡張が検討・実装されていました。
これは、トークン転送額を暗号化して第三者に見えないようにするもので、ユーザープライバシーを高めることを目的としていました。しかし現在、この機能はより包括的な機能へと発展し、「Confidential Balances」という総称で拡張されました。
Confidential Balancesは単なる転送額の秘匿に留まらず、資産保有者やトークン発行者に対し複数の暗号技術ベースの拡張機能を提供し、規制順守を損なうことなく新たな機密性レイヤーを追加します。
◼️Confidential Balancesに含まれる機能
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