【Collector Crypt】TGCをトークン化して売買できるマーケットプレイス / ポケカのガチャ要素で急成長 / 独自トークンも発行 / @Collector_Crypt
現物カードをNFT化し、安全保管と即時決済を実現
おはようございます。
web3リサーチャーのmitsuiです。
今日は「Collector Crypt」についてリサーチしました。
🖼️Collector Cryptとは?
🚩変遷と独自トークン
💬コレクティブル市場は依然として大きい
🧵TL;DR
Collector Cryptは2023年に設立、ファウンダーのトゥオム・ホルムバーグ氏(25年以上のカード収集経験)が「コレクター市場の非効率をブロックチェーンで変革する」という構想のもと立ち上げた。
仕組みは現物カードをNFT化し、安全保管と即時決済を実現、さらにガチャ方式やスナイプ入札など独自機能で取引を拡大。
変遷として2024年12月にガチャ機能付きβ版をローンチ、2025年夏には週売上1,660万ドル・月間取引高4,400万ドルを突破、Discord等コミュニティも急成長。
トークンCARDSはSolana上で発行(最大供給20億枚)され、資産担保型として設計、収益の一部を買い戻し・バーンに活用、将来はステーキングやDeFi連携も計画されている。
🖼️Collector Cryptとは?
「Collector Crypt」は、リアルなコレクターズアイテム(主にトレーディングカード)をブロックチェーン上でデジタル資産化することを目的としたプラットフォームです。
具体的には、実物の公式トレーディングカード(例えばポケモンカード)を安全に保管・鑑定し、その所有権を1枚のNFTとして発行します。ユーザーはこのNFTを売買したり、NFTをバーンしてカードの現物を引き取ったりすることができます。
ブロックチェーン技術により取引の透明性と即時決済が実現し、従来のカード取引に伴う発送や支払い遅延、偽造リスクなどの非効率を解消する狙いがあります。
では、特徴と詳しい仕組みを解説していきます。
◼️リアル資産のトークン化(Vault & pNFT)
ユーザーまたは運営チームが物理的なトレカをCollector Cryptに預け入れると、カードは厳重に保管・管理され、そのカードを裏付け資産とする物理連動NFT(pNFT)がSolana上で発行されます。
このNFTにはカードのグレードや識別情報がメタデータとして記録され、1枚のNFTが対応する1枚の現物カードと紐付けられます。カードは専門の鑑定機関でグレーディング(状態評価)済みのものが用いられ、プロの鑑定士による真贋確認も行われるため、NFTの裏付けとなるカードの品質・真正性が担保されています。
発行されたNFTはCollector Crypt内のマーケットプレイスだけでなく、Magic EdenなどSolana系の外部NFTマーケットでも売買可能で、既存のNFTエコシステムとの互換性も確保されています。
もしカードの所有者が現物を手元に戻したい場合、対応するNFTをバーンすることで保管庫からカードの発送をリクエストでき、NFTと現物カードの交換(償還)が行われます。
◼️ガチャ(Gacha)システム
Collector Cryptの特徴的な機能の一つに、「ガチャマシン」方式のデジタルパック販売があります。後ほど実績についても触れますが、Collector Cryptのようなサービスは他にも存在しますが、このガチャ機能によって取引が加速されています。
ユーザーは一定額を支払うことでランダムに1枚のカードNFTが当たる「パック」を開封でき、パックには一定の確率で高額レアカードが含まれる仕組みです。
各パックには以下のような情報が公開されています。
“Expected Value $55.66” :ALT / eBay 等の相場から算出したこの瞬間の期待値。$50のパックに対し$55.66 → 期待値は約+11.3%($5.66上振れ)
Pack contains: 1 Card:1つのパックを購入すると、必ず1枚のカード(NFT化された実物カード)が入っています。
Instant buyback offer: 85% of value:パックを開けて出たカードは、すぐにプラットフォームにその推定市場価格の85%で買い戻してもらえます。
→ 外れカードを引いても、損失を抑えてすぐ現金化できる仕組み。Big win chance: 20%:レアカードや高額カードが当たる確率は20%程度。つまり5回に1回くらいの割合で「当たり」を引ける設計。
レアリティ別の確率と価格帯
Commons(コモン)
価格帯: $30–$60
当選確率: 80%
Uncommon(アンコモン)
価格帯: $60–$110
当選確率: 15%
Rare(レア)
価格帯: $110–$250
当選確率: 4%
Epic(エピック)
価格帯: $250–$2,000以上
当選確率: 1%
このように平均リターンがプラスになっている点、外れても損失15%程度ですぐに売却できる点があり、少額のリスクで何度も挑戦できるとして、ガチャ需要が爆発しました。2025年8月には1週間だけで1,660万ドル(約24億円)に達しました。
◼️スナイパー(Sniper)ツール
Collector Cryptは独自の周辺機能として、eBayなど外部オークションで欲しいカードを落札・代行保管する「スナイプ入札サービス」も提供しています。
ユーザーが指定したカードのオークションに対し、プラットフォームの自動入札プログラムが終了間際に最適価格で入札(スナイプ)を行い、落札後そのカードを直接Vaultに収容してNFT化します。
ユーザーは事前に必要額のSOLをデポジットすることでこのサービスを利用でき、手数料は落札額の1%に設定されています。万一落札に失敗した場合はデポジットは全額返金されます。このツールにより、ユーザーは自らeBay等からカードを調達して送付する手間なく、Collector Crypt上にカードを持ち込むことが可能です。
◼️保管&配送インフラ
現物カードはアメリカ・オレゴン州にあるPWCCなどプロ仕様の保管庫にて厳重に保管されます。保管施設はコレクターズアイテムの保存に適した空調・防犯設備と保険が完備されており、カードの劣化防止と盗難・災害リスクの低減が図られています。
ユーザーがNFTを償還してカードの返送を求める場合、プラットフォームは安全な発送手続きを代行し、発送時にはカード評価額の2%を手数料として徴収します。
このようにCollector Cryptは現実世界のロジスティクスとブロックチェーンを統合したアーキテクチャを構築しており、単なるスマートコントラクト開発に留まらない包括的なインフラを数年かけて整備しています。
🚩変遷と独自トークン
◼️ファウンダー情報
Collector Cryptは、トゥオム・ホルムバーグ(Tuom Holmberg)氏を中心に2023年に設立されました。ホルムバーグ氏は25年以上のトレーディングカード(特にマジックやポケモン)の収集経験を持ち、2013年からビットコインマイニングにも関わってきたブロックチェーン愛好家です。
「コレクターズ市場の非効率をブロックチェーンで変革する」という構想のもとプロジェクトを立ち上げました。
CTOのダックス・ヘレラ氏(デジタルマーケの起業家)やリードエンジニアのリチャード・シェイファー氏(15年以上の開発経験)など、技術とコレクション文化の双方に精通したチームで運営されています。
◼️設立背景
背景には、世界的に拡大するポケモンカード市場やトレーディングカードの取引における「発送の遅れ・偽造リスク・仲介コスト」などの課題がありました。
Collector Cryptはこれを解決するため、カードを専門保管庫で安全に預かり、真贋鑑定を経たうえでNFT化し、Solana上で取引できる仕組みを構築しました。こうすることで、コレクターも投資家も「安全で即時決済可能な市場」にアクセスできるようになっています。
◼️変遷
2023年:GSR、Big Brain Holdings、Genesis Block Ventures(GBV)など著名VCからからシード資金調達を実施、プロジェクト始動。
2024年12月:ガチャ(Gacha Machine)機能を搭載したベータ版プラットフォームをローンチ。ユーザーは1パック購入ごとに1枚のカードNFTを引き、外れた場合も85%で即時バイバックできるユニークな仕組みを提供。
2025年夏にはガチャ売上が1週間で1,660万ドルに達し、累計販売パックは100万個超。
2025年8月末:ネイティブトークン「CARDS」をソラナ上で発行。ローンチプール形式でパブリックセールを行い、約190万ドルを調達。リリース直後から価格は高騰し、初週で約10倍に上昇。
月間取引高は4,400万ドル(約64億円)を突破し、Solana上のRWA系プロジェクトの中でも突出した存在に。
コミュニティは数千人規模のDiscordに成長し、SNS上でも高額カードを引いた報告が話題となりました。
以下、2025年1月頃から成長が顕著なことがわかると思います。
◼️トークン情報(CARDS)
チェーン:Solana
最大供給量:20億枚
アロケーション:財団36.7%、コミュニティ20%、チーム19.5%、投資家約12%、パブリックセール5%、アドバイザー4.3%、流動性2.5%
特徴:
プラットフォーム収益の一部がCARDSの買い戻し・焼却に充てられる。
将来的には手数料割引、ステーキング、ガバナンスなどにも活用予定。
実際の物理カード在庫を裏付け資産とする点で「資産担保型トークン」として設計。
💬コレクティブル市場は依然として大きい
最後は総括と考察です。
最近、特にポケモンカードにおけるTGC市場が盛り上がっていたので、その中心にあるCollector Cryptを調査してみました。他のプラットフォームと同じく倉庫保管とフィジタルNFT化は当然のことながら、ガチャの設計は確かに盛り上がりそうな要素だと感じました。
正直、現実世界のポケモンカードでもオンラインパック(オリパ)が盛り上がりの大きな一因となっていますし、初期のパック購入時からランダム性を持って販売されています。
これがブロックチェーン上になると、期待値もわかるし、その場で所有権の移転、売却もできるということで、現在のオリパ体験よりも透明性があり、便利なこともわかります。
一昔前のブームでは投機的な存在としてクリプト民に注目された感もありましたが、、一般的なコレクターの間でも今後普及していくと、定着する可能性は大いにあるなと思います。
また、Collector Cryptの公式説明には「コレクションを売買だけでなく担保(collateralize)にもできる」と明記されています。これは、NFT化されたカードをレンディングの担保資産として預け、SOLやUSDCを借り入れるイメージです。
これにより「カードを手放さずに資金調達」が可能になり、コレクター資産の金融化が進むと期待されています。
こういった連携はオンチェーン化されるメリットであり、最近のトレンドであるトークン化された株式などにも言えることです。この辺りの連携は非常に楽しみです。
現在の成長はトークン発行による影響もあると思うので、今後もCollector Cryptが継続的に成長していくのか、引き続き追いかけていきたいと思います。
以上、「Collector Crypt」のリサーチでした!
🔗参考リンク:HP / X
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