おはようございます。
web3リサーチャーのmitsuiです。
今日は「CEXとDEXが混ざる世界の未来予測」というテーマで、最近盛り上がりつつあるCEXとDEXの連携事例の紹介、そこから読み取れる未来予測を考察していきます。
📗CEX、DEXとは?
👀CEXによるDEX統合事例
❓CEX内にDEXが組み込まれる背景
💬CeDeFi市場の考えられる未来
📗CEX、DEXとは?
まず、ご存知の方も多いかもしれませんがCEXとDEXの基本的な内容を改めて確認します。
◼️CEX(中央集権型取引所)
運営企業がシステム・資産管理・マッチングエンジンを一括で管理する取引所
ユーザーはまず法定通貨や暗号資産を取引所に入金し、取引所内の残高として売買を行う
オフチェーン(取引所データベース)上で高速に注文マッチングが完結する
○特徴的な機能と仕組み
オーダーブック方式:指値・成行注文を板(買い/売りリスト)に並べ、マッチングエンジンで約定。
高速マッチング:サーバー内処理のためミリ秒単位の約定。
法定通貨対応:銀行振込やカード入金で日本円・ドルなどを直接入出金可能。
付随サービス:レバレッジ取引、先物、ステーキング、レンディング、ローンチパッド、API/証拠金取引など多数。
カストディ管理:ユーザー秘密鍵は取引所が保管。入出金処理やセキュリティは取引所側で実施。
○メリット
流動性が高い:参加者数が多いため大口でもスリッページが小さい。
取引速度が速い:ミリ秒〜秒単位で約定。
サポート充実:日本語対応、ヘルプデスク、入出金トラブル対応など手厚い。
法定通貨の扱い:直接円→仮想通貨、仮想通貨→円が可能。
規制準拠:ライセンス下で運営され、顧客保護のための仕組み(分別管理・保険)あり。
○デメリット
ハッキング・盗難リスク:集中管理ゆえに巨大な標的となりやすい。
倒産・凍結リスク:運営企業の経営不振や規制対応で資産がロックされる恐れ。
プライバシー低下:KYC/AML義務により個人情報登録が必須。
自己管理不可:秘密鍵は取引所管理。
上場銘柄制限:取引所が審査したトークンのみ扱うため、新興プロジェクトは買えない場合がある。
◼️DEX(分散型取引所)
スマートコントラクトで組まれたプログラムがブロックチェーン上で自律的に運営
ユーザーは自分のウォレットを接続し、オンチェーンで直接トークンを交換
第三者による資産管理は不要
○特徴的な機能と仕組み
AMM(自動マーケットメイカー)方式:流動性プールに預けられた2種のトークンを数式(x·y=k)で価格決定。
集中流動性(Concentrated Liquidity):Uniswap v3以降、LPが任意価格帯に流動性を集中配置。
オンチェーンCLOB:Hyperliquidのようにチェーン上に板注文を持ち、価格優先・時間優先で約定。
オフチェーン注文板+オンチェーン決済:dYdX v4やAevoのように注文はオフチェーンで高速処理し、約定結果だけをチェーンに書き込むハイブリッド方式。
LPリワード:流動性提供者は取引手数料を報酬として受領。
○メリット
自己カストディ:秘密鍵を自分で管理でき、取引所破綻リスクを回避。
匿名性が高い:KYC不要でウォレットアドレスだけで利用可能。
取扱いトークンが豊富:誰でも流動性を提供すれば上場可能。
グローバルアクセス:インターネット接続とウォレットさえあればどこからでも利用可。
透明性:全注文・約定がブロックチェーンに記録され、誰でも監視・検証可能。
○デメリット
ガス代負担:取引ごとにネットワーク手数料が発生し、特に小口取引で割高。
取引速度の制約:ブロック承認待ちで数秒~数分かかるケースあり。
ユーザーサポートなし:操作ミスや秘密鍵紛失時の救済策が原則ない。
流動性不足のリスク:マイナーペアではプールが薄く、スリッページが大きくなる。
スマートコントラクトリスク:脆弱性やバグを突かれると資金が抜き取られる可能性。
◼️CEXとDEXの比較
整理すると以下のような違いがあります。ただまあ、この辺はなんとなく理解している人も多いのではないでしょうか。
そして、こちらは過去5年での現物取引においてCEXに対してDEXがどれだけのシェアがあるのかというグラフです。徐々に右肩上がりになっていますが、2025年1月にはこの指標が急増しています。CEXに対してDEXの取引量はおよそ20%に迫るまでに成長しています。
このようにDEX側の盛り上がりもあり、直近はCEXとDEXが混ざっていく動きが加速しています。
👀CEXによるDEX統合事例
では、ここからは実際の事例を紹介していきます。
◼️CoinbaseのBase DEX統合
2025年6月13日のState of Crypto Summitにおいて、Coinbaseのプロダクト担当VPであるマックス・ブランズバーグ氏は、「分散型取引所では数百万もの資産が作成・取引されていますが、それらの分散型取引所を操作して、自分が望む資産にアクセスし、取引できる人はごくわずかです。だからこそ本日、Baseの分散型取引所をCoinbaseのメインアプリに直接統合することをお知らせできることを大変嬉しく思います」と述べました。
加えて、「Coinbaseの数百万人のユーザーは、まもなくAerodromeのような分散型プラットフォームで直接取引できるようになります。これにより、Base DeFiに数百万人の新規ユーザーが加わるだけでなく、Coinbaseの顧客はBaseで取引されるあらゆるトークンにアクセスできるようになります。これは、前例のないエコシステムの成長促進剤となるでしょう」と、Aerodromeの創設者アレックス・カトラー氏はコメントしました。