おはようございます。
web3リサーチャーのmitsuiです。
土曜日は1週間の振り返りと最近考えていることのブログ記事です。
📝今週の記事
今週1週間で書いたリサーチ記事の振り返りになります。気になる記事があればぜひご覧ください!
どれも面白い内容になっていますので、良ければぜひご覧ください!
また、過去記事は900記事を超えてます。サイト内検索も可能ですのでそちらもぜひお使いください。
チェーンの競合優位性はどこまであるのか
更新した記事でも分かる通り、今週はSui完全レビューが3日連続で更新されました。くりぷとくりぷとさんによる寄稿記事で、僕自身もSuiについてここまで深くリサーチしたことはなかったので改めて勉強になりました。
さて、特に意識していたタイミングではないのですが、ここ数週間でSuiの価格がグングン上がってます。BTCやETH等、他の銘柄が下がっていた時期だったので、Suiの価格上昇がより目立ちました。
今回のSuiの技術的な特異性を勉強した際に思ったことですが、チェーンの銘柄選定は非常に難しいと思いました。現在Suiは上がっているので、Suiの技術的な優位性は正しく、Solanaを超える存在になるのかと考える人もいるかもしれません。
ただ、価格変動はかなり一時的なもので、5年後10年後にどのようになっているのかを予想することはかなり困難です。実際、SolanaもFTXから巨額の出資をもらっていたので、FTX事件でかなり暴落し、復活できるのか危ぶまれましたが、見事に戻って来ています。
究極的には、どのスタンスでそのチェーンと関わるのかを決めた方が良いのだろうなと思いました。投資家だとしても半年スパンの短期投資家か、5年スパンの長期投資かか、事業者なのかユーザーなのか、関わり方のスタンスを決めることが価格変動に一喜一憂せずに応援し続けられます。(この辺はもはや気持ちの話ですが)
そして、数年スパンの未来がわからないということは、現在主流のチェーンでさえ、完全に代替される可能性があるということです。これはまだまだweb3人口は少ないので、新規参入企業が新チェーンを利用することで代替されるという側面と、既存の開発者とユーザーが新チェーンに移行する、どちらもあり得ると思っています。
僕も当初はチェーンは自トークンとその上のアプリケーション群があるので、一旦エコシステムを構築してしまえば競合優位性を築きやすいと思っていました。ただ、思ったよりチェーンの競合優位性はないのだと思い始めました。
まず、web3はコピープロジェクトが容易に作れます。どこかのチェーンで流行ったことを別のチェーンで簡単に構築できます。そして、ユーザーからしてもチェーン間の資産の移動は想像よりも大変ではありません。少し面倒だなくらいで、今DeFiに資金を入れている人からすればそこまで大変な労力ではありません。
加えて、いくらそのチェーンのトークンを持っていたとしてもすぐに売却できます。流動性が高くないとトークンの価格は上がらないのですが、流動性が高いことはすぐに売却できてしまい、競合優位性の確保に繋がりません。
これらを鑑みると、そもそもEVMではなくSolidityではない、SolanaやMove言語のSuiやAptosは最初は大変だけど、一定の競合優位性は築きやすいチェーンだとは思います。
ただ、個人的にはやはりBlastの設計がすごいなと思います。Blastの凄さはエアドロップを長期間に渡り実施すること(結構な期間資金をロックする)、そしてブリッジされたETHやステーブルコインUSDBに利回りを持たせていることです。
長期間ロックすることで物理的に他に移行できない期間を長くし、ネイティブな利回りがあることで資産を他のチェーンに逃した際の機会損失を大きくします。4%くらいが何もしなくても利回りで貰えるので、他のチェーンに資産を移す際は最低でも4%以上、移行の手間を考えると6%以上とかはないと移行しません。
そして何より、移行する際の期間はこれまで貰えていた利回りが一時的にも0になります。この貰えていた収益が0になる期間(マイナスになる)は人間心理的にかなり抵抗があります。人は新しく増えるよりも、自分のものがなくなる方が嫌がります。
そこまで考えていたのかわかりませんが、Blastの競合優位性の築き方はかなり人間心理に刺さっているのではないでしょうか。
整理すると、どのチェーンが5年後に生き残っているのかは正直わかりません。技術的な優位性はそれぞれのチェーンで謳っているものの、よほどの専門家ではないと100%理解はできないし、未来のチェーンがそれを上回らない保証はありません。
よって、競合優位性を築いていく必要がありますが、想像していたよりもチェーンというだけで競合優位性が築けることはないと思っています。
その中で例えば独自開発言語を採用することも競合優位性に繋がりますが、人間心理に刺さる、チェーンを移行すると資産がマイナスになる設計は大きな優位性の1つになるのではないかと思います。
以上、今週もありがとうございました。明日以降も毎日記事を更新していきますので、引き続きよろしくお願いします。
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