おはようございます。
web3リサーチャーの三井です。
今日は「NFTプロジェクトの未来」について最近思うことを書いてみます。
«目次»
1、強固なNFTコミュニティを持つプロジェクトはユーティリティに困らない
2、サービスのログインにも利用され始める
3、ウォレットログインの普及は意外にここから始まる?
強固なNFTコミュニティを持つプロジェクトはユーティリティに困らない
以前もブログで書いた内容ですが、僕は熱狂的なコミュニティを持つNFTプロジェクトはユーティリティに困らなくなると考えています。
その理由は「コミュニティによる集客を望む外部企業と提携できるから」です。
例えば、BAYCやMoonbirds柄のクレジットカードが発行されたり、BAYC柄の水が販売されたり、空港のラウンジが限定で使えるようになったり、などなどです。
これは例えばインフルエンサーにPRをお願いして、そのファンにアプローチして貰ったり、○○コミュニティの人に割引クーポンを発行するのと全く同じで、NFTプロジェクトのユーティリティとして発行することで、集客を見込んでいます。
企業からすればどこに依頼しても、費用対効果が合えばいいわけなのでその選択肢にNFTプロジェクトが入ることは何ら不自然ではありません。
今後もこの動きは加速していくと思います。
一方で、強いてNFTプロジェクト側の弱点であり、この動きが現状そこまで増えていない理由を挙げるとするならば、NFTプロジェクトの規模が小さすぎることが挙げられます。
Maxが数千人から数万人のコミュニティであり、その中でアクティブな人の割合を考えた時に数百人から数千人の規模です。そうなると、企業からすれば市場が小さすぎて依頼できない、という可能性もありそうです。特に実店舗は世界中の散らばった数百人のホルダーにユーティリティを出しても実益を得ることは難しそうです。
ただまあ、最近はメガインフルエンサー1人に頼むよりも、マイクロインフルエンサー数人に頼んだ方が効果が出ることもわかってきているので、規模が小さいNFTプロジェクト複数に依頼する形も出てくるかもしれません。
サービスのログインにも利用され始める
そして、この使われ方の延長で、サービスのログインにもNFTプロジェクトの活用が始まっています。
例えば、Azukiが中国最大の動画プラットフォームであるbilibiliとパートナーシップ契約を締結し、Azukiログインが可能になりました。
厳密に言えば、通常のアカウントにAzukiを紐づけることで、bilibiliのPFPにNFT認証バッジがつくようになります。また、bilibili動画のチャット欄でホルダー専用ステッカーが使用可能になります。
これはまさにNFTプロジェクトへユーティリティを提供し、集客を見込んだ取り組みです。
PFPはデジタルアイデンティティとして機能すると言われているので、おそらくこのようなサービスへのログインや連携もNFT認証で可能になる事例は増えていくと予想されます。
僕自身も、自分が保有しているNFTで「XXというサービスを利用することができるようになりました」というアナウンスが来たらとりあえず使ってみると思いますし、似たようなサービスを使っていた場合は乗り換える可能性すらあります。
ウォレットログインの普及は意外にここから始まる?
整理すると、
強固なコミュニティを持つNFTプロジェクトを作る
そのコミュニティにアプローチして欲しい企業(実店舗もWebサービスも)から限定クーポンや機能が提供され、ユーティリティとなる
さらにコミュニティが盛り上がり、さらに企業からの依頼がくる
このようになります。
よくweb3はWeb2.0と異なり、全てがウォレットログインになると言われています。
ただ、まだまだウォレットログインのサービスは多くないですし、何ならSNSログインの方が便利じゃね?となって、そっちに舵を切るプロダクトも非常に多いです。
これはどっちの方が正解なのかわかりませんが、SNSログインでアカウントの紐付けを行った場合、例えばTwitterから連携を外されたり、万が一そのSNSがなくなったときに大きな影響を被ることには間違いありません。
ただ、ウォレットログインはウォレットを作る必要があるので、一般ユーザーからすれば難易度が高くなるのかもしれません。
この辺りがどこに着地するのかはわかりませんが、意外にNFTのユーティリティとしてサービスに特典をつけるサービスが増えていけば、NFTログインが広まり、ウォレットログインという存在が広がっていくかもしれません。
例えば、toB系のサービスの多くはその企業に在籍していることを証明するために会社アドレスで認証しますが、それをNFT認証にしてNFTプロジェクトでtoB系のサービスを利用できるようにすることも可能かもしれません。NotionでNFT認証できて認証されたホルダーだけが書き込みができるとか。
既存のWeb2.0サービスの中で、集客を見込んでNFT認証機能を追加していくことで、一般ユーザーもその存在を知り、認知が広がり、NFT認証の便利さも広がり、自分もウォレット作ってNFT買ってみようかなと思い始めたら、ウォレット問題が解決されていくようになるかもしれません。
そこまでの影響力を持つかはわかりませんが、全く使ってことない新規サービスではなく、普段使うサービスにNFT認証の文字が入り込み続けることで、認知が広がっていく可能性はあるので、こういったサービス連携が増えていって欲しいなと思っています。
以上、NFTプロジェクトの未来について最近考えていたことでした。
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