おはようございます。
web3リサーチャーの三井です。
今日は自分が被害を受けた”詐欺体験レポート”を書いてみます。
«目次»
1、購入したNFTがなくなっていた
2、何が起こったのか、、
3、さらに衝撃の事実が発覚、、!市場捜査のために行った?
4、自分の感想
購入したNFTがなくなっていた
数日前、OpenSeaのアカウントを見ていたときにNFTが1つなくなっていた事に気づきました。
無くなったNFTは「Nakamapes」という「Nakamigos」の完全コピープロジェクト。運営者も謎ですごく怪しかったのですが、フロア価格がめちゃくちゃ安かったので1つ買ってみました。
数日間、OpenSeaのトレンドランキング10位以内に入り続け、一時期は0.04Ethほどまでフロア価格が高騰しました。(初期ミント価格は0.001Ethほど)
そのNFTがなくなっていました。OpenSeaからコレクションが強制排除されたようです。そして、現在はTwitterアカウントも削除されています。
※厳密にいえばOpenSeaから削除されただけで、NFT自体が無くなったわけではありません。
何が起こったのか、、
Twitter上でプロジェクト名を検索すると色々と情報が出てきました。
要約すると以下のようになります。
「Nakamapes」は「Nakamonkes」と呼ばれるコレクションのアート(クリエイティブ)を丸パクリしたプロジェクトであった。
「Nakamapes」は「Nakamonkes」がリリースされる前にアートを奪い、先んじて公開していた。
当然「Nakamonkes」は怒り、その事実をTwitter上とOpenSea側に主張するが、「Nakamapes」は認めず、自分たちが本物だと主張する。
しかし、コントラクトで「Nakamonkes」の方が先であることが判明する。
また、「Nakamonkes」側はファイルが存在していることも主張。
最終的に「Nakamapes」がアートを盗作したことを認める。
NFTアートの盗品問題は過去にもあり、常に問題になっていますが、今回はプロジェクトリリース前に先んじて出してしまい、そっちの方が有名になってしまったという事例でした。
最終的に180Ethを超える売上を記録し、姿を消しました。
さらに衝撃の事実が発覚、、!市場捜査のために行った?
これらの事実が判明し、事態が沈静化したかに思われた後に「Nakamapes」のTwitterで衝撃のツイートがなされました。
要約します。
とあるWeb3プレイヤーから市場操作をするために金銭を貰って実行した。
その理由は、この市場は数人のインフルエンサーやその周りが過度な期待を煽り、FOMOを作り出し、金銭を得ている状況を知ってもらうため。
OpenSeaのようなマーケットプレイスは、収益が上がる限り詐欺を許している事実もある。
この分野のプラットフォームやプレイヤーの大半は取引ボリュームにしか興味がなく、NFTのコミュニティは "95%...毎日あなたをバカにする人たちでいっぱい "
NFTに執着しすぎないようユーザーに警告した。「私がそうだったように、彼らはすべてあなたを操っているのです」
本物と主張する2つのプロジェクトに直面した場合、立ち去ることの重要性を強調
もちろんどんな主張があったとしても盗作アートを販売し収益を上げることは許されることではありません。ただ、現在のNFT業界の闇を映し出す事例や問いかけとなったことは間違いありません。
ちなみに、事件はまだ終わらず、このツイートの後に「匿名のTwitterアカウントが、このTwitterアカウントは乗っ取られており、Nakamapesファウンダーのツイートではない」と主張し事態はさらに複雑になりました、。
ここから先はまだ進展しておらず、今なお謎のままです。ただ、Nakamapesが盗作プロジェクトであったこと、OpenSeaから削除されたこと、Twitterアカウントもなくなっていること、これらは事実です。
この先、さらに爆弾情報あるかもしれませんが、どれが正解なのかはわかりません。
自分の感想
この業界に入って、初めて詐欺被害を受けました。
感情的な話をするのであれば落ち込んではいません。というのも、購入する前から非常に怪しいプロジェクトだったので、”最悪価格が0になってもいいや”という気持ちで購入したからです。
そして、購入金額が0.009Ethほどだったので、ガス代合わせても3,000円ほどでしょうか。失った金額が少なく済んだのでよかったです。
まあOpenSea側からすれば放置すれば無法地帯になるし、中央から介入しても批判されるしで大変な立場ではあると思います。
ちなみに他のマーケットプレイスでは削除されていない所もあり、普通に売買されています。なので、厳密にいえばNFTはまだ存在していて、価格が0円になったわけではないので、失ったわけではないということですね。
とはいえ、このコピープロジェクトをPFPにしていたら本家のプロジェクトの人に目をつけられそうなところではあります🙂
その他、自分が体験してみてより思うのは「これ絶対わかんないよ、、」ということです。
今回のNakamapesは匿名のプロジェクトであったし、Nakamigosの完全オマージュでしたが、そんなプロジェクトは結構あるんですよね。それも、独自ミントサイトで販売されてたら多分買ってないですが、僕が購入したのはOpenSeaの二次流通なので、購入するだけでNFT持ってかれることはないだろうと思い、買っちゃいました。
しかも、OpenSeaのトレンドランキングで世界1位を数日に渡って取り続けていました。
なので、最後に紹介したNakamapesのツイートもそうですが、改めてNFT市場の闇を見たような気がします。価値の裏付けがわからないデジタルデータを匿名で作ることができる。そして、その価値も影響力を持った人間がツイートすることで作れてしまう。まさに錬金術です。
ただ、よかったことはトランザクションの軌跡でコピープロジェクトであることが判明したということです。ここが無ければ泣き寝入りで終わっていたかもしれません。
NFTの光と闇が見えた体験でした。
皆さんも気をつけてください!!
※僕もTwitterで紹介したプロジェクトなので、そこから購入した人がいれば申し訳ありません。可能な限りリサーチした上でTwitterもSubstackでもプロジェクトの紹介をしていきますが、全ての特定はほぼ不可能なので、今後紹介するプロジェクトも購入や利用する際は必ず自己責任でお願いします。
«参考リンク»
免責事項:リサーチした情報を精査して書いていますが、個人運営&ソースが英語の部分も多いので、意訳したり、一部誤った情報がある場合があります。ご了承ください。また、記事中にDapps、NFT、トークンを紹介することがありますが、勧誘目的は一切ありません。全て自己責任で購入、ご利用ください。
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