おはようございます。
web3リサーチャーの三井です。
いつもは特定のプロジェクトについてのリサーチ記事を書いてますが、週に一度はそこから得られた学びをブログとして書いてます。(以前までは平日のみ更新だったので最終日の金曜でしたが、土日も更新することにしたので、今後は日曜がブログ回にしようかと思ってます)
今週のリサーチ(12/12~12/17)
今週も毎日リサーチしました。まだ読んでいない記事がある方はぜひ!
■【Oasys】独自トークンOAS本日上場。大注目を集めるゲーム特化のブロックチェーン
■【Shibuya】NFTホルダーの投票によってエンディングが変わる?分散型のアニメスタジオを作る実験プロジェクト
■【美しい村DAO】日本の地方自治体が全てDAO化する!?web3時代の地方創生の形とは。
■【Valhalla】web3時代のTwitch(ゲーミングプラットフォーム)を目指し、若きシリアルアントレプレナーが手掛けるNFTプロジェクト
■【A wallet】芸能プロダクション"アミューズ"が仕掛ける独自ウォレット。IP×エンタメの新しい未来を作るか
■【CollectTrumpCards】トランプ元大統領がNFTでトレーディングカードを発行!購入者は1対1でのディナーのチャンスも!?
そこから感じたことを書いてみます。
バブルが弾け、マスアダプションの足音が聞こえる
今週リサーチしていて強く感じたのは「web2の強者によるweb3への参入が加速している」です。
トランプ元大統領
アミューズ
YCを19歳で卒業し、2度のExit経験がある若手起業家
ガイアックス
地方自治体
SEGAやスクエニ等のゲーム業界
これだけの企業や個人が本格的に参入をし始めました。
正直、来年には国民全員がウォレット持ってるみたいな急速な拡大にはならないと思ってますが、はじまりの年であることは間違いありません。
やはり世の中の人々の行動変容を起こすのは並大抵のことではありません。QRコード決済を普及させるために、PayPay、LINEPay、メルペイが数百億もばら撒きまくって2022年にやっと少し普及したかな?ってくらいです。それでも5年くらいかかっているし、日本はまだ現金派の方が強いので、行動変容を起こせたとは言えないほどです。
これだけの大企業が本気で資本を投下して、5年以上かかって少し定着し始めるくらいなので、得体の知れないweb3の思想や技術が定着するのはそれなりに時間がかかります。
なんなら僕は「日本で本当に定着するのか?」も少し疑問に思ってます。
この前CBDCの世界の現状をリサーチした際に日本のレポートも読みましたが、日本のCBDCはブロックチェーンの活用はそもそも構想に入ってなかったです。今テストしている複数のシステムは全て中央管理のサーバーでした。
加えて、僕はNFTやDAOを本当に楽しむには一定のユーザー側のリテラシーが必須だと感じています。その試行錯誤の余地があるから、貢献の余白が生まれ、優秀な人をDAOに惹きつけ、NFTプロジェクトの価値も向上していきます。
それを簡単にして誰でも使えるようにすることは、そこのゲーム性や楽しさを削ぐ行為にもつながると感じています。つまり、今web3に熱狂している人たちの熱狂ポイントがなくなる危険性を孕んでいます。
それがマスに広がるということなのかも知れませんが、”そのweb3”だったらちょっと便利になるくらいで今とさほど変わらないかもね?と思います。
ウォレットの作成ハードルを下げるとか、NFTという単語を使わないようにするとかの努力は大賛成で、前提としてUXを優れたものにする、ITリテラシーの高い人しか使えないサービスから解放するは必要なアプローチだと思います。
でもなんか、ブロックチェーンである必要性にメスを入れる簡易化(プライベートチェーンにするとか、中央管理のサーバーでやるとか、他のPFでは使えないや売却できないとか)に関しては、”誰でも使える”ことを目的として、今と全く異なるユーザー体験を届けることを後回しにしている感覚があります。
とはいえ、僕個人としてはもっと多くの人にweb3によって変化する世界を見てみたいと思っています。そして、自分が信じるweb3の定義を他の人に押し付けるようなことは違うと思っているし、人それぞれweb3の定義が異なっても、好きな価値観の経済圏で生きればいいじゃん!と思っているので、何かを批判したいわけではありません。
どうなるんだろうな?という純粋な興味と、自分が信じるweb3の面白さをより多くの人に伝えるには起業家としてどんな戦略を練ればいいんだろうか?という思考実験からこういう記事を書いてます。
ただ、そんな個人の感情を置いといて、いよいよweb3の社会実装に向けて巨大な企業が動き始めたことは事実です。web3であれば使われた時代から、ユーザーにとって便利なのか?が問われる時代になってきました。
僕自身も引き続きウォッチしつつ、自分でも何かプロジェクトを立ち上げていこうと思います。
では、また明日からも毎日リサーチ記事を書いていきますので、引き続きよろしくお願いします!
以上、記事が面白いなと思った方はぜひ「アドレス登録」と「SNSでシェア」をしていただけると嬉しいです。引き続きweb3をリサーチしていきます。
おわり。
mitsui @web3リサーチャー
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