おはようございます。
web3researcherの三井です。
普段は平日朝にweb3に関するリサーチをしていますが、毎週金曜日はそこからの学びや考察を書いています。
今週のリサーチ
まず、今週行ったリサーチを改めて振り返ります。
■【KUMALEON】きせかえできるNFT。
■【AMATO】「日本が世界を一つに」を掲げる、"サムライ"NFTコレクション
■【Wakuland】web3時代のゲームを目指すプロジェクト
今週もかなり面白いプロジェクトを多数リサーチすることができ、とても学びになりました!まだお読みでない記事がある方はぜひ読んでみてください!
ではそこから学び、感じたことを。
NFTの本質は所属の表明にある?
NFTを勉強していく中で「NFTって結局何が凄いんだろう?」を常に考えています。みんな考えるであろうことで、それぞれの結論があり議論されていることです。
もちろん改ざんできないとか、デジタルデータに所有権つくとか、なんかそういうのありますが、実際の僕らの生活がどう変化するのか、どんなユーザー体験なんだろう?って。技術が凄くても使うのは人間なので、僕らの生活がより良い方向に変化していかないと結局はどんな技術もサービスも使われていきません。その意味でNFTの凄さはどこにあるんだろうかと。
色々考えて僕が今思っているのは「NFTの本質は所属(コミュニティー)」です。(これTwitterで誰かが近いことを発言していた気もするので、僕発信の意見ではないと思います。きっと同じことを言ってる人も多数いるかと。)
デジタルの世界で所属を表明することって実はできなかったんですよね。
現実世界で言えばファングッズ。YOASOBIのTシャツ着てたら絶対YOASOBIファンだし、川崎フロンターレのユニフォーム着て電車乗ってたらフロンターレ応援しにいくサポーターです。「私は○○が好きです」を表明するものがファングッズであり、その表明によって、コミュニティーに所属することができて、同じ趣味の友達が増えます。
では、デジタルの世界ではどうだったのか。
確かにYOASOBIのアイコンにすることもできるし、TwitterでYOASOBIファンアカウントを作ることもできます。でも、現実世界ほどの熱量やコミュニティーへの所属を感じることは難しい気がします。なぜなら、誰でもできるからです。その人の熱量を計測することが難しいからです。自分は熱狂的ファンだけど、相手はいい感じのアイコン探してたらたまたまYOASOBIだった(YOASOBIすら知らない)かもしれない。
このデジタルと現実世界の違いは「お金を払っているかどうか」です。意見の表明はコミットメントの有無によって確定するので、現実世界ではコミュニティーが形成されやすいです。
同じグッズを購入して身につけていたらコミットメントが一目でわかるし、サッカーだってユニフォーム着てスタジアムに駆けつけている時点でサポーターだってことがわかる。
デジタル世界ではこのコミットメントを可視化できないので、コミュニティーが形成されづらく、所属を感じることが難しいです。現実の延長戦でのデジタルは別ですが。唯一デジタルでコミュニティーができるのはファンアート作ったり、YouTuberのまとめ動画作ったりするファン達な気がします。コミットメントが可視化できているので。VTuberの界隈がコミュニティー感強いのはそういう理由かもしれない。投げ銭でコミットメント可視化できるから。
で、長く書いてきましたが、実はこの課題感を解決するものがNFTなのではないかというのが僕なりの結論です。
同じプロジェクトのNFTアイコン設定している人に対しての仲間意識半端ないっすもん。本名も職業も知らないけど、勝手に仲間だと思うもん。この体験って実は画期的じゃないですか。NFT前ってあったかな。
NFTは購入するプロセスがあり、偽装ができません。今までもデジタルで購入することはできたけど、それが本当に購入しているのかの判断ができなかったので、ちょっと怖かったんです。NFTはそれがバッチリできるので、安心できます。画面の向こうの人が自分の仲間だと認知できます。
NFTの本質はここにある気がします。デジタルの世界で所属(コミュニティー)を生み出せること。
そう考えてみると、なぜNFTプロジェクトはコミュニティーを大事にすべきなのかとか、一目見てプロジェクトがわかるような作品が売れやすいのかとか、腑に落ちてきました。
コミュニティーを作るのではない、待ち合わせ場所(ブランド)を作るのだ
ここまでを書くと、結局NFTプロジェクトを成功させるのは”コミュニティー”だから、コミュニティー作るぞ!と考えがちですが、それは違うと思ってます。厳密に言えば、その思考では失敗すると思っています。
そもそも”コミュニティー”というのは、何か共通の目的を持った人たちの集まりです。僕は今までにweb3関係なく、非常にたくさんのコミュニティーを作ってきました。その中で成功も失敗もしてきました。結論、コミュニティーを作り上げ、運営し続けるのはめちゃくちゃ難しいです。
コミュニティーを作るためにコミュニティーを立ち上げると、どこかのタイミングで「人が集まる理由がない」状態に陥り、過疎っていきます。最初は熱量高くても徐々にマンネリしていき、似たような人と会い、似たようなコンテンツをやることに意味ないよね?と感じ、人が減っていく。人が減っていくと盛り下がるのでさらに人が減る。このループでコミュニティーは活動を停止します。
逆に、永続するコミュニティーには人が集まり続ける理由があります。
つまり、待ち合わせ場所となる圧倒的なブランド(コンテンツ)を作ることで、コミュニティーはその結果として生まれるものである、ということです。
コミュニティーができやすい促しをすることは可能ですし、やったほうがいいです。ただ、中身がない(共通認識がない)状態で、熱狂がない人たちを集めて0からコミュニティーを作ることはできません。
なので、NFTプロジェクトの成功にコミュニティーは不可欠ですが、ファウンダーの思想を体現する圧倒的なブランド(コンテンツ)を作り、そこに共感した人たちがNFTホルダーとなるからこそ、コミュニティーが出来上がるんです。
KUMALEON、AMATOもそうでした。ファウンダーの思想とクリエイティブと発信、全てが一貫しています。その結果、そこにファンができて、ファンの証明としてNFTを購入する。そしたらデジタル上のファンクラブに入れて、一緒に作り上げる体験ができる。これがNFTの本質で、意味わからないくらいの熱狂が生まれている理由だと思います。
側から見れば盛り上がってるNFTプロジェクトは怖いです。でも、○○ファンや推し活してる人って怖いですよね。その溢れんばかりの熱狂は外部から見れば怖いんです。逆に言えば、それが作り出せたらNFTプロジェクトとして正しい道を歩いている証拠です。
結論、僕はweb3の時代は「コミュニティー作り」ではなく「ブランド作り」の時代だと思っています。そして、そこを間違えた認識のままではどのプロジェクトも失敗します。
僕も頑張ってブランドを作ります!
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おわり。
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