おはようございます。
web3リサーチャーの三井です。
毎週日曜日は1週間のリサーチ記事を振り返りつつ、そこから学んだ考察ブログを書いてます。
«目次»
1、今週のリサーチ(1/8~14)
2、透明性は模倣を可能にする
3、短期的にはユーザーの利便性を減らす長期施策はできるのか?
今週のリサーチ(1/8~14)
■【鷹の爪団NFT】商用利用権が貰える人気アニメのジェネラティブNFT!!いざメタバースの征服へ!(1/12より販売開始)
■【フォテイソン】Twitter上で独自トークンのやり取りができる!ファンの貢献を可視化し、頑張りが報われる世界へ
■GameFiは日本にとって希望でもあり、日本のお金が海外に流れる弱点にもなり得る?
■【DayAway Founders Key】2ETHで販売されたVIP向け会員証NFTは、既存企業のNFT参入のモデルケースとなる!?
■ただ自分のPFPへの愛を語る🟡そしてNFTオーナーとホルダーの関係を考えてみる👓
そして、web3リサーチャーとして寄稿しているメディアでの記事も紹介します。
Plus Web3
HashHub Research
どれも面白いと感じるリサーチ内容だったので、ご興味ある記事がある方はぜひご覧ください!
透明性は模倣を可能にする
ではここからは最近感じることです。
非常に多くのプロジェクトやそもそもの技術を勉強する中で、web3に流れるオープンソースの文化は素晴らしいことだと思う反面、すぐに模倣されてしまう懸念も感じるようになりました。
そして、技術的な模倣もそうですが、トークン配布によるインセンティブをつけることで、既存のサービスからユーザーを獲得できてしまう現状もあります。NFTマーケットプレイスは顕著で、LooksRareやBlurがOpenSeaユーザーを狙って奪うマーケ施策を実行しました。
競合から顧客を奪うのは当たり前のことですが、web3はあまりにも簡単にできてしまいます。その理由は大きく3つです。
技術が公開されているのでサービス構築が容易
トークン発行によるインセンティブで1円も使わずに集められる
ウォレットコネクトのため既存サービスのネットワーク効果が働きづらい
どれもweb3の特徴の裏返しとなる理由です。
これによって競争が激化し、GAFA独占みたいな事態に陥ることがないという説を唱える人もいます。確かにそうなのかもしれません。
ただ僕は、別の視点でも考えています。
短期的にはユーザーの利便性を減らす長期施策はできるのか?
それがこれです。
例えば、Amazonが倉庫や配送網の整備に巨額投資したとします。これは数ヶ月でできるものではないので、3~5年後に便利になって顧客に返ってくるものだとします。この資金をユーザーへの割引キャンペーンに使うと、短期的にはユーザーは喜びます。
Amazonは長期投資をガンガンし続けて、ここまで圧倒的な存在になりました。経営的な目線で見ると、長期投資は一朝一夕では競合に真似されない競合優位性を築く上でも、圧倒的な顧客体験をうむためにも非常に大切です。1ヶ月で作れることは1ヶ月で真似されてしまいます。
ただ一方で、長期投資をし続けることは、短期的にはユーザーの利便性を減らす可能性もあります。厳密にはその資金を目先のユーザーへの還元に使えなくなります。
この辺りは経営判断ですが、僕はいかに長期投資に注ぎ込んで資産を積み上げていくか、が経営においてとても大切な要素だと思っています。
で、web3はこの判断が難しいと感じています。
ガンガン競合に真似されるし、ユーザーを囲い込むことができないので、短期的なインセンティブで留め続ける施策をどうしても選んでしまいがちです。そしてさらに厄介なのは、短期的な還元をせずに売り上げを別のところに使っていたら「ユーザーからの反感(web3なんだから還元しろ的な)」を受ける可能性すらあります。
そう考えると、長期施策に取り組もうとすると、ユーザーが離脱し売り上げやトークン価格が減り、プロジェクトの存続が危うくなる。だから短期のインセンティブ勝負をし続ける。こういうループに入ってしまう可能性もあります。
Dappsもそうですが、チェーン系もFat Protocolとは言え、いかに自分たちのチェーンの上に有望なアプリケーションを誘致するかという勝負になるので、開発補助金出したり、独自トークンを積極的に発行したりという勝負になりつつあります。
そこまでひっくるめて考えると、僕はあえて、サービスリリースの初期はトークンちらつかせてユーザーを集めすぎない方が良いのではないかと思っています。競争に参加する前に盤石なUXと耐えられる資金を獲得してからスタートするべきです。
これはweb3プロジェクトならではの戦略設計なのかもしれませんが、ゲームのルールが変われば王道の戦略も変わってくるので、プロジェクト単体だけでなく、その成長戦略や経営戦略についても色々と研究、考察していきたいと思いました。
また来週以降も引き続きリサーチしていきます。
以上、記事が面白いなと思った方はぜひいいねやRT等していただけると嬉しいです!
免責事項:リサーチした情報を精査して書いていますが、個人運営&ソースが英語の部分も多いので、意訳したり、一部誤った情報がある場合があります。ご了承ください。また、記事中にDapps、NFT、トークンを紹介することがありますが、勧誘目的は一切ありません。全て自己責任で購入、ご利用ください。
■運営者
mitsui @web3リサーチャー
Twitterでもweb3に関する情報(プロジェクト・ニュース・単語の解説、プロジェクトオーナーへのインタビュー記事、リサーチからの学びや考察記事)を毎日発信中