【Bittensor】AIモデルの開発・共有・協調を促進する分散型AIネットワーク / Subtensor(ブロックチェーン)とSubnet(AI特化の小ネットワーク)が連携 / @opentensor
約15,000文字。web3×AI時代の基盤になるかもしれません。
おはようございます。
web3リサーチャーのmitsuiです。
今日は「Bittensor」についてリサーチしました。
🤖概要|Bittensorとは?
⚙️仕組み|各主体へのインセンティブモデル”Yumaコンセンサス”
💧トケノミクス|総供給量2,100万枚で4年毎に半減期を持つTAOトークン
🤝エコシステム|各Subnetの情報
📈変遷と展望|2024年に急成長を迎える
💬感想と考察|エコシステムこそがMoatになる
🧵TL;DR
Bittensorは分散型AIネットワークで、中央集権のない形でAI開発に貢献した人にTAOトークンを報酬として与えるエコシステムを構築しています。
Subtensor(ブロックチェーン)とSubnet(AI特化の小ネットワーク)が連携し、AIモデルの実行・評価・報酬分配を行います。
マイナー・バリデータ・サブネットオーナー・ステーカーが役割分担し、YumaコンセンサスとDynamic TAOにより価値ある貢献に報酬が集中します。
TAOは発行上限と半減期を持つインセンティブ設計で、ビットコインに着想を得た持続可能なトークンエコノミーを実現しています。
🤖概要|Bittensorとは?
「Bittensor」は、ブロックチェーンを用いてAIモデルの開発・共有・協調を促進する分散型AIネットワークです。央集権的な大企業(OpenAIやGoogleなど)が支配する現状に対し、Bittensorはピアツーピアの経済モデルを構築し、AIへの貢献者(計算資源、AIモデル、データの提供者)が直接報酬を得られるオープンなエコシステムを目指しています。
その全体像は以下となります。
少し複雑に見えますが、大きく分類すると2つの機能を持っています。
Subtensor(Blockchain):Substrateフレームワーク上に構築されたブロックチェーンで、このチェーンが全参加者のスコア・残高・取引を記録し、TAOトークン発行による報酬配分を管理します。
Subnet:Bittensorは多数の独立したSubnetから構成されます。各サブネットはそれぞれ特定のAIタスクに特化したコミュニティです。
全てを記録するブロックチェーンがあり、そこに紐づく形でSubnetが無数に存在しています。各Subnetはブロックチェーンというわけではなく、それぞれのAIタスクに特化したコミュニティとなっています。
それらが1つのエコシステムになっているため、SubtensorからSubnetへインセンティブ提供があり、Subnet同士も競争し合い、Subnet内のデータ学習や提供者(バリデーターやマイナー)も競争し合う設計になっています。
これら全体を指して、「Bittensor」のプロジェクトです。
この後に詳細の仕組みを説明していきますが、その理解を促進するために「Bittensor」の設計の根幹にある思想を紹介します。
それは「Bitcoin」の思想です。
Aboutページを見るとBittensorはビットコインから以下の核心的な思想を参考にし、応用しています。
分散型システムの力:Bittensorはビットコインと同様に、中央集権的な管理者なしで機能する分散型システムを採用しています。ビットコインが分散型通貨を創造したのに対し、Bittensorは分散型AI企業を目指しています。
市場メカニズムとインセンティブ設計:ビットコインはマイニングという形で計算能力に報酬を与え、システムの安全性を確保しています。Bittensorも同様に、TAOというトークンを通じてネットワーク参加者にインセンティブを提供し、価値ある計算リソースの提供を促進しています。
オープン参加と検閲耐性:ビットコインと同様に、Bittensorも誰でも許可なく参加できるオープンなシステムであり、検閲耐性があります。「閉鎖不可能」な特性を持ち、参加者は直接継続的に報酬を受け取ります。
資本主義の純粋な形:「これが資本主義の最も純粋な形」と表現されているように、Bittensorはビットコインの市場原理を踏襲し、効率性を高める競争を促進します。参加者は継続的にコスト削減や効率化を追求します。
反脆弱性:ビットコインのように、Bittensorも外部からの攻撃や課題に対して強くなるシステム(反脆弱性)を目指しています。悪い競争相手が自然に排除される仕組みが組み込まれています。
権力の分散化による腐敗防止:サトシがお金に関する権力の集中化が腐敗を生むと考えたように、Bittensorも人工知能という強力な技術の所有権を分散させることで、少数の企業や個人による独占を防ごうとしています。
技術を通じた社会変革:ビットコインが金融システムを変革しようとしたように、Bittensorは人工知能の開発・所有構造を変革しようとしています。「オープン所有権」という概念を通じて、より民主的で倫理的なAIの未来を目指しています。
Bittensorは本質的に、ビットコインの革命的な市場設計とインセンティブ構造を人工知能の分野に応用し、テクノロジー大手による中央集権的なAI開発に対する分散型の代替手段を提供しようとしています。
また、そのエコシステム内プレイヤーのネーミングにバリデーターやマイナーを採用したり、4年に一度の半減期を設けている点も同じです。
⚙️仕組み|各主体へのインセンティブモデル”Yumaコンセンサス”
では、詳しい仕組みについて解説していきます。
改めて全体像の図解を貼っておきます。
まずはSubnetについて解説していきます。
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