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【Bastion】APIファーストの包括的なステーブルコインインフラプラットフォーム / a16zやCoinbase Venturesなどから累計4,000万ドル超を調達 / @BastionPlatform

主要機能は発行サービス、カストディウォレット、オン/オフランプ、カード連携・レンディング等の拡張機能で、独自のスマートルーティング技術により高速かつ低コストな取引を実現

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mitsui
Sep 30, 2025
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おはようございます。
web3リサーチャーのmitsuiです。

今日は「Bastion」についてリサーチしました。

Bastionとは?
変遷と展望
ステーブルコインの普及は進む


🧵TL;DR

  • Bastionは、APIファーストの包括的なステーブルコイン基盤で、発行・保管・送金・利用をワンストップで提供し、規制対応済みのホワイトラベル発行を支援します。

  • 主要機能は発行サービス、カストディウォレット、オン/オフランプ、カード連携・レンディング等の拡張機能で、独自のスマートルーティング技術により高速かつ低コストな取引を実現します。

  • 2023年設立、NY州認可を受けて事業展開し、a16zやCoinbase Venturesなどから累計4,000万ドル超を調達。HIFIやBorderlessなどと提携し、金融機関レベルの導入を推進しています。


Bastionとは?

「Bastion」は、APIファーストの包括的なステーブルコインインフラプラットフォームであり、企業が自社エコシステム内でステーブルコインの発行・保管・送金・活用を行うために必要な機能をワンストップで提供しています。

コードを書く必要や独自に規制ライセンスを取得することなく、自社ブランドのステーブルコインを発行・運用できるホワイトラベルソリューションの開発を行なっており、主なサービス内容は次のとおりです。

ステーブルコイン発行(Stablecoin-as-a-Service)

企業が自社ブランドのステーブルコインをエンドツーエンドで発行・管理できるサービスです。

ニューヨーク州のトラストチャーター(信託会社免許)に基づく規制されたステーブルコイン発行(現在NYDFSによる発行承認申請中)を提供し、準備金・流動性管理も容易です。

またコンプライアンス対応(各種ライセンス、KYC/KYB、AML)を組み込み、発行企業側で追加の規制対応を行う必要がありません。スマートコントラクト管理機能やミント/バーン(発行・償却)用のAPIも備えています。たとえばAPIで新規アカウントを作成する際にユーザーの身元情報を検証し、その後の取引についてもリアルタイムにモニタリングを行うことで、企業は追加のコンプライアンス負荷を負うことなく安心してサービス提供できます。

カストディ

エンドユーザー向けのカストディアルウォレット機能をAPI経由で提供します。

企業はこのAPIを統合することで、自社ブランドのデジタル資産ウォレットを迅速に立ち上げ可能です。顧客資産は破産隔離されたカストディ環境で安全に保管され(Bastion Platforms US, LLCによるMSB登録・州送金業ライセンスに基づく)、鍵管理やポリシー(利用権限)管理、コンプライアンス(KYC/AML)対応もBastion側で実施されます。

創業チームがAnchorage Digitalのセキュリティ基盤を構築した経験を持つことから、プラットフォーム全体が金融機関グレードのセキュリティを意識して設計されています。

オンランプ/オフランプ

法定通貨とステーブルコインとの間の入出金(オン/オフランプ)をシームレスに行うサービスです。

マルチカレンシー対応のAPIにより銀行送金やカード決済などで法定通貨⇔暗号資産の交換を統合できます。Bastionは特定のステーブルコインに依存しない中立的なプラットフォームであり、自社発行コインだけでなく他社のステーブルコインにも対応可能です。

ステーブルコイン活用

Bastionプラットフォーム上で発行・保管したデジタル資産を実際のユースケースで活用するための拡張機能です。

デビットカード連携によるステーブルコインの直接決済(カード払い)や、暗号資産レンディングによる余剰資金の運用、さらには暗号資産の売買サービスといった機能を計画しており、これらは現在プライベートベータ段階にあります。

また、Bastion独自の技術として、トランザクションのスマートルーティング機能があります。ブロックチェーン上の取引は場合によっては手数料高騰や処理遅延の問題がありますが、Bastionでは取引内容に応じてオンチェーンで行う必要がないものはオフチェーンで即時かつ手数料なしに処理する仕組みを導入しています。

ユーザー同士の残高移動など、信頼できる領域内で完結できる処理はオフチェーンで行い、一方で必要な部分のみブロックチェーン上に記録します。これにより高速なユーザーエクスペリエンスとコスト削減を両立しており、従来複数回のオンチェーントランザクションを要した処理もバックエンドで最適化されます。

上記のように、Bastionはステーブルコインの発行から保管、法定通貨との出入金、利用までを包括的にサポートするプラットフォームとなっています。

これらのサービスはすべて開発者向けのAPIで提供されており、企業は自社アプリやサービスにBastionの機能を統合することで、ユーザーにシームレスな体験を提供できます。


変遷と展望

Bastionは、2023年に設立された企業向けのステーブルコインインフラストラクチャ企業です。本社は米国ニューヨークにあり、ニューヨーク州金融当局(NYDFS)の認可を受けて事業を行っています。

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