おはようございます。
web3リサーチャーのmitsuiです。
毎週土日の昼には基礎単語解説記事をお届けします。各記事をサクッと読めるような文量にして、改めて振り返れる、また勉強できるような記事を目指していきます。
本日は「取り付け騒ぎ」です。
ぜひ最後までご覧ください!
銀行は、預けられたお金をすべて金庫に保管しているわけではありません。この事実を多くの人は知らないまま、日常を過ごしています。そして、ある瞬間に「みんなが同時に引き出そうとしたらどうなるのか?」という問いが現実になります。それが取り付け騒ぎです。
この現象を理解すると、ステーブルコインやDeFiの”崩壊”が偶然ではないことが見えてきます。
なぜ銀行は預金の全額を持っていないのか
銀行にお金を預けると、そのお金は金庫にそのまま眠っているわけではありません。銀行は預金の大部分を企業や個人への融資に回しています。これが「部分準備制度(Fractional Reserve)」と呼ばれる仕組みです。
たとえば、100万円を預けたとします。銀行はそのうち10万円だけを手元に残し、残りの90万円を別の誰かに貸し出します。その90万円がまた別の銀行に預けられ、そこからさらに81万円が貸し出される。この連鎖によって、元の100万円から何倍もの「お金」が経済の中に生まれます。これが信用創造と呼ばれる仕組みです。
この仕組みは経済を回す上で極めて重要です。
企業は銀行からの融資で設備投資を行い、個人は住宅ローンで家を買います。銀行が預金をそのまま保管するだけであれば、こうした経済活動は成り立ちません。
しかし同時に、銀行が預金者全員に対して同時にお金を返す能力を持っていないことを意味しています。普段はごく一部の人しか引き出しに来ないため、この仕組みは問題なく機能しています。問題は、「普段」ではない瞬間が訪れたときです。
取り付け騒ぎはどう起きるのか
きっかけは、多くの場合ささいなものです。ある銀行の経営状態に関する噂、メディアの報道、あるいはSNS上での不安の拡散。正確な情報でなくても構いません。重要なのは、人々が「この銀行は大丈夫なのか?」と疑い始めることです。
ここで働くのが、ゲーム理論でいう「合理的な行動」です。仮に銀行が健全だとしても、他の人が一斉に引き出すかもしれないと思えば、自分も早めに引き出すのが合理的な判断になります。なぜなら、最後に並んだ人の分のお金は残っていないかもしれないからです。




