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DeFiは銀行を代替できるか─金融の再発明に挑むスマートコントラクト【後編】

銀行機能に対応するDeFiの機能を比較します。

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mitsui
May 18, 2025
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おはようございます。
web3リサーチャーのmitsuiです。

今日はweb3の基礎の基礎レポートということで「銀行」について深堀します。

ぜひ最後までご覧ください!

はじめに
銀行を再発明するDeFiとは?
なぜ人々は銀行を介さない金融に興味を持つのか?
DeFiで再現される銀行機能
DeFiの優位点
DeFiの課題と限界
今後の可能性:CeFi × DeFiハイブリッド
まとめ


🧵TL;DR

  • DeFiは銀行の主要機能(預金・貸出・決済・為替・信用管理・保証)をスマートコントラクトで再構築しつつある。

  • 利便性や透明性、24時間稼働といった面で銀行にない強みを発揮するが、UXの複雑さや法規制未整備など課題も多い。

  • 特に「信用創造」やKYC/AMLといった伝統的銀行の役割はDeFi単体では再現が難しい。

  • 今後はCeFiとのハイブリッド進化や金融包摂の促進を通じて、新たなユニバーサル金融インフラとして進化が期待される。


はじめに

前編では、「そもそも銀行ってなにをしているのか?」をテーマに、銀行の主要な機能を要素分解し、その社会的役割や課題について整理しました。

銀行が「預金・貸出」のみならず、決済や為替、リスク管理や保証など多岐にわたるインフラ機能を担い、社会全体の“信用”を創造・仲介している様子が見えてきたと思います。

今回の後編では、それら銀行機能と対比しつつ「DeFiがどのように既存の銀行機能を再現・再発明しようとしているのか」について考察します。

DeFiはブロックチェーン上で動くスマートコントラクトを活用し、仲介者を介さずに資産の保管・送金・融資・取引などを行う試みです。すでに世界中で多くのプロトコルやサービスが立ち上がり、実際に数十億〜数百億ドル規模の資金が預けられ、運用されています。

一見すると「銀行いらず」のように思えるDeFiですが、果たして本当に銀行を代替できるのでしょうか? あるいは、銀行とDeFiは競合するのではなく、お互いの強みを活かしあいながら進化していくのでしょうか? そのヒントを探るために、まずは銀行機能に対応するDeFiプロトコルの例を見ていきます。


銀行を再発明するDeFiとは?

DeFiは、ブロックチェーンを用いて「金融の仕組み」を分散化する動きを指します。

イーサリアムなどのスマートコントラクトプラットフォーム上で動作するアプリケーション(dApp)によって、取引や契約の執行をコード(プログラム)に任せることで、仲介者の存在を最小化しようという試みです。

銀行では、巨大なシステムと多数の行員によって預金や貸出、決済などが運営されています。一方、DeFiでは、不特定多数の参加者が自分のウォレットを直接スマートコントラクトに接続し、透明性の高いルール(オープンソースのコード)に従って取引を行います。取引条件や金利計算、担保管理などは、中央のサーバーや管理者ではなく、ブロックチェーン上のプログラムが自動的に処理するわけです。

この「スマートコントラクトによる自動執行」と「誰でもアクセス可能」という特徴が、DeFiの持つ大きな魅力です。

2017〜2018年頃からイーサリアム上の分散型取引所やレンディングプロトコルが登場し始め、2020年には「DeFi Summer」と呼ばれるブームが起こりました。以降も進化が続き、Layer2ソリューションや他のチェーンでも多様なDeFiプロトコルが立ち上がっています。


なぜ人々は銀行を介さない金融に興味を持つのか?

DeFiが注目される理由はいくつかありますが、大きな要因としては次のようなものが挙げられます。

  1. 銀行の手数料や営業時間の制約への不満

    • 国内外の送金手数料や、窓口・ATMの手数料に対する不満。

    • 土日・祝日に振り込みができない(または遅延する)など、既存の銀行インフラ特有の制約が依然として残っている。

  2. 中央集権的リスクや銀行破綻への懸念

    • リーマンショックやシリコンバレー銀行(SVB)の破綻のように、銀行が破綻すると預金がロックされたり、取り付け騒ぎが起きたりするリスク。

    • 政策や規制に大きく左右される金融システムへの不信感。

  3. ブロックチェーン技術の透明性とオープンアクセス

    • スマートコントラクトのコードが公開され、誰でも検証できる点。

    • 口座開設や資格審査などが必要なく、ウォレットさえあれば誰でも利用できるという敷居の低さ。

  4. 潜在的に高い利回り

    • 初期のDeFiブームでは、銀行の定期預金をはるかに上回る利回りを提供するプロトコルが次々と登場し、多くの投資家が流入した。

    • ただし高リスク・高リターンであり、相応のリスク(スマートコントラクトのバグ、清算リスク、流動性の急減)も伴う。

これらの要因から、人々は「銀行を経由しないお金の運用や送金はもっと自由であっていいのでは?」と考えるようになりました。

もちろん、DeFiが銀行を完全に不要にするという主張はまだ早計かもしれません。しかし、少なくとも「一部の銀行業務は、分散型の仕組みでも十分機能する」ことを多くのプロトコルが実証し始めているのは事実です。


DeFiで再現される銀行機能

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