おはようございます。
web3 researcherの三井です。
今日はBAYCやCryptoPunksに並ぶ、OpenSeaの人気ランキングトップ10に常に入り続ける大人気プロジェクト「Azuki」についてリサーチしました。
«目次»
1、Azuki(あずき)とは?
2、Azukiの特徴は?
3、Azukiは次世代起業(組織)の最先端にいる
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Azuki(あずき)とは?
Azukiのプロジェクトは2021年の11月に情報が解禁され、2022年1月にNFTが発行されました。販売点数は8700点+プライベートオファーで配布された1300点の合計10000点です。
仕掛け人は「Chilu Labs(チルラボ)」というグループです。全員が匿名で世界中に分散化したチームですが、GoogleやWEB3企業で事業経験のあるザザガボンド氏、世界的な起業プレゼン大会Yコンビネーターで2度の受賞経験を持つホシボーイ氏、ゲーム業界で名のしれたアーノルド ツァン氏など、豪華なメンバーが集まっています。
アニメをイメージしたクリエイティブで、一体一体に細部までこだわりを持ったジェネラティブNFTです。
「私たちの夢は、Azukiをアニメやゲームで利用されるビッグIPに育て上げることだ」
と運営メンバーが常々発信しており、web3時代のミッキーマウスなど世界中誰ものが知るIPブランドまで育て上げるためのプロジェクトであることを明言しています。
Azukiの特徴は?
ここまで人気となった背景にある特徴をいくつか分析してみました。
○こだわりのクリエイティブ
アニメ調のグラフィックもそうですが、ジェネラティブNFTながら一点一点のパーツに拘ったクリエイティブを作っています。また、それが可能なチーム編成を行なっています。
SNS等での発信も拘っており、オリジナル動画を作成したり、オリジナルのサウンドトラックを作成(HP上で聞くことができます)するなど、一つ一つのクリエイティブへのこだわりが、プロジェクト自体の本気度を伝える手段になっており、信用につながっています。
○優れた技術基盤
Azukiはイーサリアム上で展開されているNFTプロジェクトですが、独自で開発した「ERC721A」という新しいチェーンを活用しています。
これは、一つのNFTをmintするのと、ほぼ同じコストで複数のNFTをmintできる仕組みです。これにより、購入者のガス代の負担を軽減することに成功しました。さらに、Azukiは「ERC721A」を誰でも使えるようにオープンソースとして公開しました。
また、公式HP上の細かい検索機能(好きな要素を絞り込んで検索ができる)も独自開発しており、購入者が好きなクリエイティブを探すことに非常に適しています。
引用:https://www.azuki.com/gallery
こういった細かい技術的な優位性が他のNFTプロジェクトより優れているので、事業としても評価されています。
○コミュニティー主導の姿勢
実はAzukiにはほとんどのNFTプロジェクトやweb3のサービスに存在する「ホワイトペーパー」が存在しません。あるのは最低限のマインドマップとマニフェストのみです。ブランドの方向性だけが決まっており、成長戦略や動き方は時代の潮流に合わせてみんなで意思決定していく仕組みになっています。
https://www.azuki.com/mindmap
マインドマップの右下、「CONNECT YOUR MIND」ページの中身がこちら。「あなたはどう思う?」というフォームが記載されている所も、コミュニティーを大切にしている点が見受けられます。
そういった意思決定や話し合いをNFTホルダー限定コミュニティー「TheGarden」で話し合っています。巨大IPをDAOで作っています。
○本気度が伝わる
こだわりのクリエイティブ、独自開発している技術基盤、コミュニティーへコミットする姿勢、運営からのメッセージ等、全てに一貫していることが「本気で巨大IPを作りに行くぞ」という本気度です。
将来的なハリウッドへの進出も視野に入れており、Azukiというブランドを作っていく覚悟が見受けられます。そういった姿勢に信用を覚え(突然消えるNFTプロジェクトではないだろう)、価格が落ちることなく、上がり続けています。
Azukiは次世代起業(組織)の最先端にいる
個人的にAzukiの成功理由の一位は「チーム編成」にあると考えています。
匿名なので全員の素性が明かされているわけではありませんが、グラフィック、動画、ゲーム制作、NFTプロジェクト経験者、音楽製作者、ブロックチェーンエンジニア、一流の人を集めたチーム編成になっています。
おそらくチームに対する報酬形態は「NFTの売上分配」と「NFTのエアドロ」、今後作っていくコインの配布、など、いわゆるweb3的な起業におけるストック報酬だと思います。
そして、AzukiチームはAzukiにフルコミットしている人もいれば、複数プロジェクトに参画しながら、自分のスキルを活用している人もいるはずです。まさに複数DAOに参画しながら働き、そのDAO(プロジェクト)のNFTやトークンで報酬をもらう、新しい働き方を体現しています。
結論、Azukiは次世代起業(組織)の最先端にいるチーム編成です。だからこそ、成功したと考えます。
やはり、知識が誰でも手に入る時代になった今、どれだけすごいものを作れて、どれだけみんなに広げることができるのか、ここが大切になっています。そして、その為には超優秀な人材を集めることが必要不可欠です。
ただ、超優秀な人材を雇うには大きなお金がかかります。だから大企業や巨額の資金調達をして報酬をキャッシュで支払う、初期スタートアップで株式を分配する(ストックを分配する)しか、超優秀な人材をチームに入れる方法はありませんでした。
でも、DAOは違います。ストックを分配する報酬設計がラフに行えるようになったことで、役員ほどそのプロジェクトにフルコミットし続けたり、途中で辞めれないことがなくなります。なので、超優秀な才能が気軽にいろんなプロジェクトに参加できるようになるわけです。
才能のシェアリングが可能になる事こそがDAO革命の本質の一つです。正直、会社のように人を雇ってNFTプロジェクトやDapps作るのはweb2的な思想でweb3サービス作ってるので少し古い気がしています。DAOっぽく、超優秀な人材を世界中から集めて、最高のクオリティのプロジェクトを作って、全員で成功させる。そうすれば、全員が最初に受け取ったストック報酬の価値が上がります。
Azukiは数日で40億円以上の売上が上がっており、NFT一体当たりの価格も上がり続けています。なので、逆に普通に業務委託でお金を貰ってやるよりも遥かに効率的なリターンが生まれるわけですね。
才能のシェア。DAOの本質。NFTプロジェクトの成功要因は実はそのチーム編成にある。Azukiから感じたことです。
自分自身も、Azukiを参考にしたチーム編成をしていきたいと感じました。その為にはやはり、国内マーケットではなく最初からグローバルを狙ったプロジェクトにするべきだと痛く痛感しました。少しずつNFTプロジェクトを立ち上げていきます。
というわけで、今日はAzukiのリサーチ結果でした。記事が面白いなと思った方はぜひ「アドレス登録」と「SNSでシェア」をしていただけると嬉しいです。引き続きweb3をリサーチしていきます。
おわり。
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