【Avacus】web3のスーパーアプリ / マルチチェーン対応ウォレット・暗号化されたチャットなど、全てができるweb3SNS
web3で生活全てができるようになる未来が近づいているかもしれません。
おはようございます。
web3リサーチャーの三井です。
今日は「Avacus」についてリサーチしました。
«目次»
1、Avacus とは?
- 機能
- 設立背景 / 解決課題
- 解決策
- ロードマップ
2、web3で生活がしたい
Avacus とは?
「Avacus」は、暗号資産の初心者にも簡単に使えるよう設計されたマルチチェーン対応のモバイルウォレットやDAppsブラウザなどが搭載されたweb3SNSです。
■機能
マルチチェーン対応ウォレット
Dappsブラウザ
暗号化されたチャット
FT・NFTの送受信、閲覧、管理
複数のパブリックチェーンに対応し、ユーザーが保有している全てのFTやNFTの管理やユーザー間の送受信が可能です。また、アプリ内ブラウザでDappsの検索と利用ができることで、一々ウォレットをコネクトする手間も省け、安全にDappsを利用することが可能になります。
そして、さらに大きな特徴の1つが「暗号化されたチャット」のやり取りが可能な点です。ユーザー間でPF側に検閲されないチャット(テキスト・画像・ファイル・動画・音声)が可能です。さらに、ユーザー情報はウォレットと紐づいているので、チャット内でFTやNFTを送り合うことも可能です。
■設立背景 / 解決課題
Avacus.appはAvacus社が2021年10月から提供しているアプリです。Avacus社は2017年よりAvacus.ioというアプリケーションを提供していましたが、2020年にピボットし、現在のアプリに至っています。
そんなAvacus.appは、Web3の世界で暗号資産を使って生活するためのプラットフォームを目指し、設立されました。ハンドルネームだけで生活ができる世界です。
しかし、現状それが実現できないのは3つの理由があります。
コミュニケーション手段がない
Dappsで出来ることが少ない
暗号資産での決済の利便性がない
1つずつ解説します。
○コミュニケーション手段がない
現状のweb3業界では、web3とシームレスに繋がるコミュニケーション手段が多くありません。金融面をweb3で行い、コミュニケーションはWeb2.0サービス(TwitterやDiscord)で行うことが主流です。
この場合、メッセージの検閲やPFリスクに加え、コミュニケーションサービスとウォレットが紐づいていないので、NFTやFTのやり取りの際に一々ウォレットアドレスを聞く必要があります。これは手間もかかり、セキュリティにも不安があります。
LINE PayやPayPayがないみたいな状況ですね。コミュニケーションと金融が完全に分断されています。
○Dappsで出来ることが少ない
現在のDappsは金融やゲームがメインであり、生活全てを賄えるようなDappsはありません。荒野の中に銀行と画廊だけが存在しているイメージです。
○暗号資産での決済の利便性がない
ブロックチェーンやそれに紐づく通貨が多すぎて、現実世界でシームレスに購入する方法が確立されていません。
これらを解決し、web3の世界で生活ができるようにAvacus.appは作られました。
■解決策
上記3つの課題に対応し、以下3つの解決策がとられています。
マルチチェーン対応のweb3SNS
多様なDappsを育成する新しい広告の仕組み
どんな暗号資産でもシームレスに決済できる仕組み
解説します。
○マルチチェーン対応のweb3SNS
コミュニケーションと金融が分断されていることが問題だったので、一括でできる機能が追加されています。これは上の機能で解説したような内容です。FTやNFTの管理やDappsブラウザとチャット機能がどちらもあります。
個別チャットだけでなく、グループチャットも可能で、ソーシャルグラフの関係(フォロー・フォロワーの関係)をNFTで可視化する機能も存在します。
今後はこれらのソーシャルグラフNFTを活用したフォロワー専用のチャットルームを作成できるコミュニティ機能や、Discordのような公式チャンネルを作成できる機能など、よりコミュニケーション機能が充実していきます。
○多様なDappsを育成する新しい広告の仕組み
既存のDappsに金融領域が多いのは、それ以外の領域でマネタイズすることが難しいからです。Web2.0アプリの多くは広告によるマネタイズを行なっていましたが、web3になるとそのマネタイズは難しく、DeFi等の金銭が移動する中で手数料を貰うモデルしかできなくなりました。
そこで、web3の思想を守った新しい広告モデルを提供します。この仕組みは、NFT発行者はNFT保有者へのリワード広告を募集することが可能となり、広告配信者は配信対象のNFT保有者に対してリワード広告の送信が可能となります。
Dappsに新しい収益モデルを提供することにより、多様なDappsの発展を助けます。
○どんな暗号資産でもシームレスに決済できる仕組み
資産の種類やチェーンに関係なく、シームレスな決済が可能なSwapPayという機能が実装予定です。パブリックチェーンのトークンでもDAOトークンでもDEXに存在するトークンであれば、どんなトークンでも決済ができるようになります。
以上、3つが解決策となります。
■ロードマップ
今後の展望は、基本的には上記3つの解決策を推進していくことですが、その中でもファウンダーの方の発信から、以下の3つの順番で注力していくと語られていました。
①新しいDAOの考え方"MicroDAOs"の概念の実現
②個人情報に依らずユーザー属性を基にした"ソーシャルグラフ"を作り出す
③Web3にサービス手数料以外の収入モデルを創出し、多様なDAppsが生まれる世界へ
https://note.com/matsukabu/n/nc12afd92c316
MicroDAOsというのは、従来の大規模で長期間のDAOに対し、ごく小規模で短期間のものを指す造語で、DAOを誰もがさっと立ち上げられて、目的を達成したらさっと解散する仕組みです。
このMicroDAOsをアプリ上でさっと立ち上げられる機能を実装していくようです。
このMicroDAOsがアプリ上で出来上がることでそこでの活動がブロックチェーンに刻まれ、ソーシャルグラフが出来上がります。ソーシャルグラフができあがれば、先ほど説明した「新しい広告モデル」を稼働することが可能になり、多様なDappsの育成をサポートできます。
結果、web3の世界で生活全てができる世界を実現します。
web3で生活がしたい
とてもワクワクするプロダクトでした。
プロダクトの課題感でも書かれていたように、今のweb3業界はそのコミュニケーションや与信管理のほとんどはWeb2.0のプラットフォームを利用しています。
発展途上の中では仕方ないとは思いつつ、どこか完全にweb3の世界で生活するとは言えない状況だなと思っていました。Web2.0の世界で生きつつ、たまにweb3の世界に触れるみたいな感覚です。
多分、僕の中で全てがweb3で生活できる世界を完全にはイメージできていない気もするのですが、その生活はとても気楽で楽しそうだなと思います。
全世界の人がweb3の世界に来るのかはわかりませんが、少なくとも希望する人はweb3の世界で生活ができるようになると良いなとは思います。
どんな世界になるのかを考えつつ、その発展に少しでも寄与できるようにこれからも頑張りたいです。
とりあえず、僕自身もダウンロードして使ってみます!
以上、「Avacus」のリサーチでした。記事が面白いと思った方はぜひいいねやコメント、SNSでのシェアにご協力いただけると嬉しいです!
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