おはようございます。
web3リサーチャーの三井です。
今日は「AmazonのNFT情報」についてリサーチしました。
«目次»
1、AmazonがNFTを出す!?
2、考えられる可能性
3、やっぱりWeb2.0の強者が強すぎ問題
AmazonがNFTを出す!?
2023年1月27日に暗号資産に関する情報を発信するメディア「Blockworks」が以下のような記事を出しました。
この記事は、AmazonのNFT事業に詳しい情報筋の5人から話を聞いた情報をまとめて整理したものです。つまり、まだAmazonの公式発表ではありません。
ですが、BlockworksはAmazonと仲が良いメディアとしても知られているようなので、比較的確度は高いのではないかと噂になり、web3業界で話題となりました。
その記事の内容を要約します。
レイヤー1のブロックチェーンプロジェクトやブロックチェーンゲームのスタートアップ、デジタル資産の取引所や開発者と協業できるように話を進めている。
ブロックチェーンベースのゲームと関連するNFTアプリケーションの制作をしている。
Amazonの顧客に暗号ゲームをプレイさせ、その過程で無料のNFTをミントする形が一例として挙げられている。
プラットフォームは、Amazon Web Services(AWS)ではなく、Amazonの適切なサービスを利用して構築する予定。
Amazon の Web3 の野心と最終目標の全範囲は明らかではないが、かなり大きな野心を掲げていると予想される。
その他に、Amazonのweb3系のニュースを紹介します。
■AWS、アバランチ(AVAX)に対応(23年1月)
AWSはAva Labsと提携して、ノードの運用やdAppsの展開で、アバランチ(AVAX)のインフラやエコシステムに対応することを発表。
■アマゾンCEO、NFT販売の可能性に言及(22年4月)
アマゾンのCEOのAndy JassyがNFT販売について可能性があると言及した。自身は仮想通貨を保有していないが、仮想通貨に対しても理解できると言及した。
■Amazon PrimeでNFTに関するオリジナル番組「NFTme」スタート
NFTの著名人50名へインタビューしてまとめたドキュメンタリー番組をスタート。
考えられる可能性
まだあまり情報がないのでだいぶ予想の部分が大きくなりますが、可能性をいくつか考えてみます。
■顧客ロイヤリティ路線
いわゆるスタバのオデッセイのようなイメージです。
Amazonに関するゲームやクイズ、決済情報と連携してNFTが配布される
そのNFTホルダーはECのAmazonサイトで特別な割引や体験が受けられる
AWSのようにAmazonが提供した仕組みをAmazon出店企業へ横展開(web3のロイヤリティプログラムを出店企業へ展開可能。しかもAmazon本体のECサイトとシームレスに連携可能)
■GameFi路線(Twitchと連携)
世界で最も大きなゲームのライブ配信プラットフォーム「Twitch」はAmazonの子会社なのでここと連携する方向もあり得そうです。
Twitchの投げ銭で独自トークンを使用
ライバーがNFTを作成、販売する仕組みを実装
AmazonオリジナルでGameFiを制作し、Twitchでの配信にインセンティブを付与
■NFTマーケットプレイス&ウォレット路線
Amazonの既存顧客に対して、ウォレット(Amazon wallet)の提供と、NFTを売買できるマーケットプレイスを構築する方向性。
既存のECサイトのようにNFTの出品や売買ができるNFTマーケットプレイスを構築
出品者も購入者もまだNFTへのリテラシーはないので、Amazon wallet(Amazon Payの進化?)を提供して作ってもらう
Amazon walletにクレカを紐づけるようになれば、クレカでNFTの購入も可能だが、通常のECサイトの商品も買え、全ての購買データが入手できる
そこから広告への展開も可能
正直、NFTの展開するにはこの辺りの方向性しかないと思いますが、Amazonがやるとしたらこういう連携が可能になるのでは?という目線で考えてみました。
やっぱりWeb2.0の強者が強すぎ問題
まだ正式な情報がないのでなんとも言えませんが、考察してみた感想としてはめちゃ強いですね。
Amazonの顧客基盤は一般ユーザーと事業者のどちらにも広がっているため、出来ることが非常に多く存在します。しかも、Amazonの事業はweb3とも親和性が高いです。
Googleやfacebookのように広告がマネタイズの主となっている場合、web3とはそこまで親和性が高くありません。むしろ、真逆と言えます。
しかし、Amazonは決済部分なのでweb3と競合することはなく、むしろNFTマーケットプレイスもウォレットもロイヤリティプログラムも、全てが展開しやすい状況です。
加えて、巨大な影響力と資本力、顧客基盤が存在するので、他にはない規模とスピード感でプロダクトの展開が可能です。
公式発表を待ちたいと思います。Amazonは超長期思考の会社なので、いきなり大きな発表ではないかもしれませんが、最初の一手から最終目標までを見据えているものの可能性が大きくあり、その考察をするのも楽しそうです。
そして、web3のプレイヤーとしてはこれから巨人の参入が始まった時にどのように立ち回るのかがより問われる時代になっていきそうです。
免責事項:リサーチした情報を精査して書いていますが、個人運営&ソースが英語の部分も多いので、意訳したり、一部誤った情報がある場合があります。ご了承ください。また、記事中にDapps、NFT、トークンを紹介することがありますが、勧誘目的は一切ありません。全て自己責任で購入、ご利用ください。
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