【Agrotoken】穀物担保のステーブルコインを発行 / Visaと提携しトークンでカード決済が可能 / プロアスリートから起業
🧑🌾大豆担保のSOYAトークンなど食物由来トークンを発行
おはようございます。
web3リサーチャーのmitsuiです。
今日は「Agrotoken」についてリサーチしました。
«目次»
1、概要|Agrotoken とは?
- 仕組み
- メリット
- 利用ブロックチェーン
2、解決課題|分散化されたステーブルコインの実現
3、変遷と展望|プロアスリートから起業した創業者、食品のトークン化は加速する
4、考察|新たなステーブルコインの選択肢となる?
概要|Agrotoken とは?
「Agrotoken」は大豆や小麦等の穀物を担保にしたステーブルコインを発行するプロトコルです。アルゼンチンを拠点としており、大豆を担保にしたSOYAトークン、とうもろこしを担保にしたCORAトークン、小麦を担保にしたWHEAトークンを発行しています。
◼️仕組み
以下が詳細の仕組みですが専門用語も出てきて少しややこしいので、簡単にかいつまんで解説します。
基本的には法定通貨担保型やコモディティ担保型(金など)のステーブルコインと同じような仕組みです。
○トークン発行手順
(以下の説明における数字は上の数字とは関係ありません)
まず穀物生産者がOracleに穀物を預け入れる
Oracleがその数量を証明し、PoGR(Proof of Grain Reserve)と呼ばれる証明書を発行
PoGRを受け取ったAgrotoken Platformがその数量分のAgrotokenを発行(1トン=1トークン)※トークン名は各穀物によって異なるが、総称してcrptograinsと呼ばれる。Agrotokenはプラットフォームの名称。
発行したトークンは穀物生産者やグローバルネットワークパートナー / GNP(現地の農協みたいな機関)に発行され、市場に流通していく
一般個人が購入するなどしてDeFiへ接続されクリプトとして利用可能
○トークンバーン及び穀物を償還する手順
Agrotoken Platformへ申請
Agrotoken Platformがトークンをバーンし、対応するPoGRをOracleへ申請
Oracleからトークンバーン申請者へ穀物を輸送
尚、各トークンは1トン1トークンで対応しており、価格はMatbaRofex等の伝統的な金融機関と提携しておりそこが提示する価格と連携しています。
既存のステーブルコインも「資金提供者」「トークン発行者」「資産保有者」「監査人」が分かれています。(トークン発行者と資産保有者が一緒の場合もありますが)
Agrotokenは資金提供者=穀物生産者、トークン発行者=Agrotoken、資産保有者&監査人=Oracleとなっており、常に1対1で資産が対応するようにしています。また、Agrotokenが担保証明を定期的に発表する義務があるので、Oracleが保有する資産が本物かをAgrotoken側が監査をすることもありお互いに監視し合っています。
Oracleにはガバナンストークンでの報酬が支払われます。
◼️メリット
Agrotokenを利用することで、まず穀物生産者は先んじて資金を確保することができます。そして、流動性が上がることで価格上昇も期待できるので持続的な運営が可能です。また、Agrotokenを担保にした融資も可能となり、金融にアクセスすることも可能になります。
さらにAgrotokenはVisaと連携してデビットカードも出しており、このカードを利用すると世界中にVisa加盟店でAgrotoken支払いが可能です。これは生産者だけでなく、Agrotoken保有者が利用できるので、機関投資家や個人投資家からしてもAgrotokenを日常的に利用できる幅が広がります。
◼️利用ブロックチェーン
AgrotokenはEthreum、Polygon、Algorandに対応しています。元々はEthreum上で発行されましたがガス代の高さからPolygonへ移行し、その後Algorandに出会ったことで、現在はAlgorandでの展開に力を入れています。
尚、Algorandはゼロ知識証明を体系化・論文を執筆したMITのシルビオ・ミカリ教授が2019年に創設したブロックチェーンです。
解決課題|分散化されたステーブルコインの実現
では、Agrotokenが解決する課題を見ていきます。これは誕生背景にもつながります。現状のステーブルコインは、法定通貨担保型、暗号資産担保型、コモディティ型が存在しますが、Agrotokenは穀物担保型です。
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