【AgentTank】AIエージェントがPCを操作できるインフラ構築を目指すプロジェクト / AIエージェントのタスク遂行の様子をライブ配信できるプラットフォームを開発 / @AgentTankLive
これからプロダクトの展開が始まります。※1週間限定無料公開!!
おはようございます。
web3リサーチャーのmitsuiです。
今日は「AgentTank」についてリサーチしました。
🤖AgentTankとは?
🚩コミュニティ主導のプロジェクト
💬AIの機能がコモディティ化した後には性格や見た目の勝負になる
🧵TL;DR
AgentTankは、AIエージェントが実際にPC画面を認識・操作できるインフラを構築するプロジェクトで、トークン($TANK)は発行しているがweb3ネイティブではない。
プロダクトは開発者向け「TankWork」、一般ユーザー向け「TankTerminal」、ライブ配信型「AgentTank」の三本柱を予定しており、現在はデスクトップエージェント「Tank」のベータ版が展開中。
プロジェクトはコミュニティ主導で、フェアローンチ方式でトークンを発行、ライブ配信を活用してAIエージェントの普及とショーケース効果を狙っている。
将来的には、AIエージェントの「キャラクター性」や「見た目」も重視される時代を見据え、AgentTankはインターフェース設計やIP展開にも力を入れている。
🤖AgentTankとは?
「AgentTank」は、AIエージェントが人間と同じようにコンピュータを操作できるインフラ構築を目指すプロジェクトです。
従来のチャットボット的な対話に留まらず、AIに実際のPC上で視覚・操作をさせることにより、オートメーションやエンターテインメント、生産性向上の新たな可能性を開拓しています。
例えば、以下のデモはai16zエコシステムのエージェントがai16zdaoオフィスにAmazonでトイレットペーパーを購入しています。
昨今はAIエージェントと言えど色々な定義がありますが、ManusやOpenAIのOperatorのようにユーザーに代わりPCを操作するという意味で、元祖AIエージェントに当たります。
ポイントは「AgentTank」はトークンを発行してはいますが、その利用料にトークンを活用しトケノミクスを構築することは目指していますが、web3ネイティブのサービスではなく、AIエージェントのインフラを作るプロジェクトにトークンがかけ合わさっているというイメージです。
では、その具体的なプロダクトについて見ていきます。ただし、現時点では構想が発表されている段階であり、下記のプロダクトが2025年から2026年にかけて順次リリースされていくとのことです。
AgentTankは将来的に三つの柱となるサービス/製品を提供予定です。
TankWork(オープンソース・フレームワーク)
開発者向けのデスクトップAIエージェント構築フレームワークです。Python/PyQtベースで構築されており、AIがコンピュータ画面を視覚認識し、マウス/キーボード操作を実行するための基盤を提供します。
開発者はTankWorkを使って自分専用のエージェントを作成・テストでき、音声コマンドやテキスト指示でPC操作が可能なエージェントを実現できます。
例えば画面上のテキスト読取(OCR)やクリック操作、自然言語による対話、実行ログのフィードバックなどの機能が備わっています。TankWorkは既にMITライセンスで公開されており、開発者コミュニティに開放されています。
TankTerminal(ワンクリック展開プラットフォーム)
技術知識のない一般ユーザーでも自分専用のデスクトップAIエージェントをワンクリックで導入・管理できるようにするプラットフォームです。あらかじめ用意されたスキルセットや人格テンプレートを備え、ガイド付きでエージェントのカスタマイズ設定が可能になります。
このプラットフォーム上では、人気の高い専門特化エージェントの提供者が自分のエージェントをライセンス公開することも想定されており、エージェント開発者が収益化できるマーケットプレイス的側面も持ちます。
TankTerminalにより、組織やチームがノーコードで統一的なエージェント導入を行えるようになり、即座に生産性向上に役立てることが期待されています。
AgentTank(ストリーミングネットワーク&エージェント市場)
プロジェクト名を冠した最終形態のサービスで、AIエージェントがタスクをこなす様子をリアルタイム配信し、ユーザーがそれを視聴・依頼できるプラットフォーム兼マーケットプレイスです。
いわば「AI版ライブストリーミングサービス」であり、ユーザーは必要に応じて専門エージェントをレンタルしたり、タスク完了を購入したりできます。
ライブ配信を通じてエージェントの動作を見届けたり対話したりできる、新しいエンタメ性と実用性を兼ね備えたサービスとなる見込みです。
現時点(2025年4月)で発表されている製品は「Tank」と呼ばれるデスクトップエージェントのベータ版です。こちらはHP上でウェイティングリストが公開されています。
「あなたのデスクトップ暗号コパイロット (Crypto Copilot)」としてTankを紹介されており、ユーザーの作業内容に適応して会話内容に応じ適切なエージェントを自動選択して動くと説明されています。
これはつまり、デスクトップアプリとしてダウンロードして、PC画面に認識しながら質問やタスク遂行を依頼できるということです。入力形式もテキストだけでなく音声入力も対応しているので、例えばXを眺めながら気になる銘柄を発見した際に音声で質問が可能になります。
🚩コミュニティ主導のプロジェクト
AgentTankはコミュニティ主導色の強いプロジェクトです。
当初、プロジェクトはまず4体の自律AIエージェントがリアルタイムでAgentTankプラットフォーム自体を構築する様子を24時間ライブ配信する実験から始まり、AIエージェントが自律的に学習・進化する様子を公開するユニークな取り組みで注目を集めました。
このAIによるライブ配信がこのプロジェクトの最も大きな特徴の1つです。先ほどのプロダクト群の3つ目であり、プロジェクト名を冠している「AgentTank」というプロダクトはAIエージェントが自律的に動いている様子をライブ配信で閲覧できます。
これがエンタメになり、且つショーケース的に機能する構想です。AIエージェントがタスクを代替する行為がイメージできない人もいるので、その様子がライブ配信されていることで実際に行われている様子を確認でき、そのままAIエージェントに自身のタスク代行も依頼できるというわけです。
主要開発者としてBen Smith氏が知られています。彼はAgentTankのリードデベロッパーであり、プロジェクト立ち上げ当初から4体のAIエージェント実験を主導するなど中心的役割を果たしています。開発チームの詳細な氏名や組織体制について公式サイト上では明示されていませんが、オープンソース開発(GitHub: AgentTankOS)やコミュニティでの情報共有を通じて、外部協力者も含めた分散型のプロジェクト運営が行われているとみられます。
よって、VCからの資金調達は行っておらず、トークンもPump.funを介してフェアローンチで発行されました。2024年12月5日に$TANKという名称で10億トークンが発行されました。
フェアローンチなので、チームへの事前割当はゼロで、開発者ウォレットは公開後に市場からトークンを購入する形を取りました。開発チームは買い戻しによって、発行総数の約3.1%を保有しています。
トークン公開直後から複数の暗号資産取引所への上場が相次ぎました。ローンチから約2週間以内に、LBank(12月16日取引開始)やMEXC(12月17日)、CoinEx(12月18日)といった海外取引所が相次いでTANKの上場を発表しています。それらの盛り上がりと全体的なAIバブルの勢いもあり、$TANKは最高値を更新しましたが、バブル崩壊の煽りも受けてその後価格は下落しています。
ただし、トークンのローンチは2024年12月ですが、具体的なプロダクトの展開はこれからです。よってトークンの具体的なユーティリティもこれからです。
まず先ほど紹介した「Tank」エージェントのベータ版は2025年4月末にmacOS向けに提供開始される見込みであることが公式Xアカウントで告知されています。ベータ版では音声コントロールや画面解析、複数エージェントのタスク切替など、TankWorkのコア機能をユーザーが試せる形になります。
その後、ロードマップには細かい機能面について触れられています。
トークンのユーティリティに関しても触れられており、Tankの利用には手数料がかかりますが、一定量の$TANKを保有することで、手数料の一部または全額が免除されるとのことです。また、発生した手数料の一部は、トークンの買い戻しに充てられます。さらに、管理LPからの取引手数料も受け取り、プロジェクトの資金調達に充てられます。
💬AIの機能がコモディティ化した後には性格や見た目の勝負になる
最後は総括と考察です。
「AgentTank」はまだあまり有名ではありませんが、個人的には今後注目を浴びる可能性があると考えています。
と いうのも、web3でAIエージェントを謳っているプロジェクトの多くはチャットボット形式であることがほとんどです。その中で「AgentTank」はデスクトップアプリとしてリリースされ、タスクを代行する、初期から言われているAIエージェントの思想を体現しています。
似たようなプロジェクトにOlasがあります。ここもAIエージェント系ですが、デスクトップアプリとしてダウンロードして、PC操作を代替できるAIエージェントのインフラを目指しています。
$OLASはすでに実績がありますが、FDVが約$1.28億($TANKは約$361万)であることから、この辺の市場や期待値は一定あることがわかります。
あと、「AgentTank」がユニークだと思う点は、上でも書いた通り「AIエージェントのライブ配信」に力を入れている点です。現状だとそのライブ配信は結構需要がありそうですし、SNSでバズりそうです。何より、いきなりAIに仕事を依頼することが怖かったり、イメージができない人向けの営業施策としてかなり有効です。
開発者は自身でAIエージェントを作成し、代行のライブ配信をしておくことで、依頼が舞い込んでくるようになるかもしれません。
加えて、AIエージェントのインターフェースに力を入れている点も面白いです。
画一的な見た目ではなく、きちんとキャラクター設定があり見た目が異なるAIエージェントになっていますし、HPのトップ画や初期プロダクトのインターフェースも凝っています。
他のIPにもそれぞれキャラ設定と機能的な強みが存在しています。
個人的にはAIエージェントが全盛になる時代ではインターフェースとなるキャラクター性も大事になってくると思っています。先行者優位としてシェアを確保することはあるかもしれませんが、機能がコモディティ化する中では可愛いキャラクターや好きな性格のIPをダウンロードするようになっていくと考えています。
なので、この辺に力を入れている「AgentTank」には共感します。
まだプロダクトが出ていないのでどの程度のクオリティのものが出てくるのかわかりませんが、今後の具体的なエコシステムの拡張に期待して追いかけていきます!
以上、「AgentTank」のリサーチでした!
🔗参考リンク:HP / DOC / X
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Author:mitsui @web3リサーチャー
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