おはようございます。
web3リサーチャーの三井です。
今日は「24karat」についてリサーチしました。
«目次»
1、24karat とは?
- 仕組み
- ユーザー体験
2、これからのファンとブランドの形は「Go-To-Community」となる?
3、方向性はありそうで、形はまだ見えてない
24karat とは?
「24karat」は、ブランドがブロックチェーンを活用したロイヤリティプログラムを簡単に作れるプラットフォームです。(以前リサーチした「qiibee」に近い構想です。)
■仕組み
ブランド側とユーザー側の2つの目線がありますが、まずはブランド目線で解説します。
ブランド側ができることは大きく2つです。
独自トークンの発行
独自NFTの発行
これらを駆使してロイヤリティプログラムを構築します。例えば、○○に参加してくれたらXXトークンを付与などを設定し、XXXトークンで限定NFTと交換可能!みたいなイメージです。
NFTの発行や配布方法、使い道は細かく選択可能です。
QR読み取りでNFT生成
クーポン型NFTの生成(リアルショップ等で利用可能)
NFTの転送を有効/無効にする
NFT配布制限(一ユーザーあたりの取得制限を設けることが可能)
NFTホルダーへコミュニケーション可能(トークンゲート)
ブロックチェーンはFLOWチェーンを採用していますが、現状の独自トークンと独自NFTは外部のDEXやマーケットプレイスにブリッジすることはできません。各ブランドの内部で利用する形となります。
NFTに関してのブリッジ機能は今後実装予定とのことでした。
■ユーザー体験
24karatはAPI提供もしており、ブランドが独自サイトの構築も可能ですが、「24kZAP」というモバイルアプリの提供も行っています。
ダウンロードして使ってみました。以下、画面の一部です。
できることは分かりやすく、興味があるブランドのロイヤリティプログラムに参加して、トークンやNFTをもらうことができます。24karatを利用しているブランドのプログラムに同じアプリ(アカウント)から参加できるのでユーザーからすれば不必要なアプリを入れる手間は省けます。
これからのファンとブランドの形は「Go-To-Community」となる?
さて、ここからは設立背景を深堀します。
まずは何度も言われていることからおさらいします。
○ブランド
顧客データの収集がどんどん困難になっている。
現在のCRMソフトウェアの利用やロイヤリティプログラムの維持やコンテンツ作成はコストがかかり、柔軟な変更も難しい。
○ユーザー
データの使い方が気になる。
ブランドロイヤルティ プログラムは面白くない。
好きなブランドはブランドに貢献したい。
こちらは主要な理由になりますが、大きな時代の変化の中で、データの扱いと顧客との関係性の変化が訪れていることが明白です。そこでブロックチェーンを活用したロイヤリティプログラムを作ることで、共創関係を築くことができ、運用コストも劇的に下がる形で実行が可能となります。
そして、それを裏付ける1つの根拠が「Go-To-Community(GTC)」と呼ばれる理論です。
これは多数のweb3スタートアップにも投資するa16zが提唱する新しいファンとコミュニティのあり方です。このブログの中で「Go-To-Commynity(GTC)はコミュニティを確立する活動をビジネス上の結果に結びつけるプロセス」と説明されています。
24karatではこの理論を採用しています。
ブランドと消費者の関係ではなく、これからはブランドを理解し一緒になって作っていくファンを含めたコミュニティこそがビジネスにおいて重要になっていくという考えです。
それがGo-To-Commynityの考え方であり、24karatはそれを実現するプロダクトです。
方向性はありそうで、形はまだ見えてない
ここからはリサーチした感想を書きます。
僕自身、最近はこの領域に興味を持っています。顧客ロイヤリティのプログラムをブロックチェーンを活用する方向性には、可能性はあると感じてますが、僕の中ではどこに着地するのかは正直まだ見えていません。
というのも、そもそも多くのブランドがロイヤリティプログラムをできていないということは、ユーザーからしても需要が存在していない可能性もあるからです。すごく頑張ってこれだけのポイントしか貰えなかったら別にやる意味ない、、みたいな。
一方で、スタバのプログラムは大成功していることを考えると、おそらくロイヤリティプログラムは得られる金銭的なメリットよりも愛着や称号の方向性だとは思ってます。
トークンやNFTという言葉が投機性を感じさせてしまうかもしれませんが、投機的なプログラムではなく、楽しいしワクワクするし集めたいと思ってしまうコレクション欲にアプローチすべきではないかと思ってます。
あ、投機的な匂いをさせないためにスタバのオデッセイはNFTという単語を使わないことにしたのかもしれませんね。そう考えるとやっぱりスタバはすごい。ロイヤリティプログラムの本質をわかっている気がします。
とはいえ、全てのプロダクトは方向性だけを信じて具体的な形は見えないまま走り出すことが多いです。形が見えてない方向に走るのは多少怖いかもしれませんが、その勇気を持った人でないと形を見つけることはできません。
自分もリサーチしつつ、どこに着地するのかも考えていきたいと思いました。
«参考リンク»
・HP:https://www.24karat.io/ja/
・Doc:https://24karatio.gitbook.io/24karat-whitepaper/
・Twitter:https://twitter.com/24karat_io
免責事項:リサーチした情報を精査して書いていますが、個人運営&ソースが英語の部分も多いので、意訳したり、一部誤った情報がある場合があります。ご了承ください。また、記事中にDapps、NFT、トークンを紹介することがありますが、勧誘目的は一切ありません。全て自己責任で購入、ご利用ください。
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