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2026年の予測記事まとめ

著名メディアやVCなどが出しているクリプト市場の2026年の予測記事をまとめてみました

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mitsui
Dec 24, 2025
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おはようございます。
web3リサーチャーのmitsuiです。

今日は「2026年の予測まとめ」と題して、著名メディアやVCなどが出しているクリプト市場の2026年の予測記事をまとめてみました。

a16z「17 things we’re excited about for crypto in 2026」
Bitwise「The Year Ahead: 10 Crypto Predictions for 2026」
Galaxy「26 Crypto, Bitcoin, DeFi, and AI Predictions for 2026」
Delphi Digital「The Year Ahead for Markets 2026」
Messari「Crypto Theses 2026」
Pantera Capital「Looking Ahead to 2026」
Four Pillars「2026 Outlook: Restructuring – Ponyo’s Perspective」
0xjeff
「7 Crypto Lessons and Trends to know before 2026」
共通項で見えてくる7つの予測


a16z「17 things we’re excited about for crypto in 2026」

スマートなステーブルコイン決済網の確立

ステーブルコインの年間取引高は2025年に46兆ドルに達し(Visaの約3倍)、2026年には各国の金融ネットワークやQR決済と直接つながる高度なオン/オフランプが整備され、デジタルドルがインターネットの基盤的決済レイヤーに変貌する。

RWAトークン化の「クリプトネイティブ化」

米国株やコモディティなど実世界資産のオンチェーン化が進む一方で、単なる既存資産の移植に留まらず、パーペチュアル(無期限先物)など暗号ネイティブな合成資産手法が浸透。特に新興国株式を対象としたパーペチュアル市場などが台頭する。

また、2025年に主流化したステーブルコインは今後「発行そのものもオンチェーン化」し、オフチェーン貸付債権をトークン化するのではなく最初からチェーン上で債権生成(オリジネーション)するモデルが増える。

レガシー金融システムのアップグレード

老朽化した銀行勘定系ソフトを一新する「バンクレジャーの刷新」は遅々として進まないが、ステーブルコインやトークナイズド国債などを組み込むことで銀行はシステム総取替えせずに新機能を提供可能となり、2026年は伝統金融機関による暗号技術活用が一段と進む。

インターネット自体が「銀行化」

AIエージェントが裏で自律的に取引する世界では、人間のクリックではなくシステム同士が価値移転を行う。「情報が伝わる速さで価値が動く」必要があり、2026年にはx402プロトコルの普及等でエージェントがデータや計算リソースに即時自動支払いする仕組みが実現し始める。結果として決済が目に見えないネットワークレベルの動作となり、「銀行」がインターネットの配管の一部となる。

“ウェルス・マネジメント for All”

資産運用の民主化が進展。トークン化資産とAI駆動のポートフォリオ最適化により、個人投資家でもリアルタイムかつ超低コストでカスタマイズ運用が可能になる。

KYA(Know Your Agent)の台頭

2026年、AIエージェント経済が本格化する中で、人間におけるKYCに相当する「エージェントの身元・責任確認」インフラが必要になる。エージェントを所有者(主体)や制約と紐づける暗号署名付き証明書により、エージェントに銀行口座や信用を提供する仕組み(KYA)が構築される。

AIによる研究開発革命

2025年にかけて大規模モデルが学術研究への補助に急速に実用化されており、2026年にはAIが科学的発見や問題解決に本格活用される。これに伴い、自律エージェントが相互連携しつつ研究するためにブロックチェーン技術を用いた信頼基盤(データの共有・成果への報酬配分など)が必要となる。

オープンウェブへの“不可視の課税”対策

AIエージェントがウェブ上のコンテンツを収集し価値を抽出することで、従来の広告モデルが機能不全に陥る「オープンウェブへの見えない課税」が発生している。2026年には、コンテンツ提供者にマイクロペイメントで自動報酬を配分する新モデルや、次世代スポンサーコンテンツ・ライセンスモデル等が模索・試験され、AI時代のウェブ収益インフラ整備が進む。

プライバシーが最強の競争優位に

オンチェーンで世界の金融を動かすにはプライバシー確保が不可欠であり、2026年にはプライバシー技術がブロックチェーン各チェーンの差別化要因として最重要視される。一部の新興L1ではゼロ知識証明などを活用して取引秘匿性を全面に打ち出し、「プライバシー・ネットワーク効果」によるユーザーロックインを狙う動きが加速する。

メッセージングの分散化と量子耐性

メッセージアプリは中央集権型から脱却し、2026年には量子コンピュータ時代を見据えた分散型・オープンソースの通信プロトコルが登場する。大手金融機関が参加するCantonネットワーク等、信頼性とプライバシーを両立したメッセージング基盤が各国で試行され、既存の集中型メッセージサービスに代わる可能性を示す。

“Secrets-as-a-Service”の新市場

顧客データや機密情報を暗号的に制御・共有するサービス市場が台頭する。スマートコントラクト内でプライベートデータを扱うためのクライアント側暗号化や分散型鍵管理技術が進み、AIや自動化システムの裏側でデータ機密性を保ちながらサービスを提供する「秘密情報のサービス化」が進展する。

「コードは法」から「仕様こそ法」へ

近年相次いだDeFiプロトコルのハッキングを受け、バグ発見後に対処する受動的セキュリティから、プロトコル設計段階で形式的仕様を定義し逸脱トランザクションを自動拒否する能動的セキュリティへと転換が進む。2026年にはスマートコントラクトに厳格な「仕様」が組み込まれ、破られない限り自動的に不正を検知・無効化する設計が一般化する(「コードは法」から「仕様が法」へ)。

予測市場の更なる拡大と高度化

2026年は予測市場が飛躍する年となる。ビジネスや政治意思決定に予測市場が活用され、リスクヘッジ手段としても注目される。特にAI統合により市場予測の精度が向上し、予測市場プラットフォームが重要な情報発見ツールとして主流化する。

「ステークメディア」の台頭

コンテンツの信頼性をブロックチェーン上のステーキングで担保する新たなメディア形態が登場する。AIによる偽情報氾濫に対抗し、発信者が自らトークンをステーク(担保)して情報の真実性を示すモデルが注目される。コンテンツの真偽を公開証明する暗号ツールも普及し、2026年のメディアは「信頼のためのトークン経済」が芽生える。

SNARKのブロックチェーン外利用

ゼロ知識証明(SNARK)の活用がブロックチェーン領域外に広がり、2026年には日常アプリでもZK技術が組み込まれる。ユーザープライバシーを守りつつデータ検証や計算を行う用途で消費者向けサービスにZKが採用され、「ブロックチェーン発」の暗号技術がIT全般の新プライバシー標準となる。

収益モデル転換:トレーディングから本業へ

多くの暗号企業はこれまで収益源を「トークン取引」「取引所手数料」に頼ってきたが、2026年には取引収益に依存しない本来のプロダクト価値で勝負する動きが鮮明になる。市場全体が成熟する中、トレーディングはあくまで通過点であり、ユーザーに長期価値を提供するプロダクトを築いた企業のみが生き残ると予想される。

米国での規制明確化

2026年には米国政府による包括的な暗号規制が史上最も現実味を帯びており、議会承認が近い。施行されれば透明性向上と明確な業界標準が確立し、これまでの「規制のロシアンルーレット」状態に終止符が打たれる見通しである。規制明確化は米国市場の不透明リスクを低減し、大手機関投資家の参入を後押しするだろう。


Bitwise「The Year Ahead: 10 Crypto Predictions for 2026」

ビットコインは4年サイクルを完全に破り、史上最高値を更新する

2026年を「4年サイクル神話が完全に崩壊する年」と位置づける。半減期主導の需給モデルはもはや市場を説明できず、ETFを通じた恒常的な資金流入が価格形成の主因となる。ビットコインは周期資産ではなく、制度化された金融資産へ移行する。

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